北京市で「日中経済貿易協力シンポジウム-水素、第三国市場」が開催

(中国)

北京発

2023年11月06日

中国・北京市大興区で10月26日、「日中経済貿易協力シンポジウム-水素、第三国市場」(以下、シンポジウム)がジェトロ、中国機電産品輸出入商会(以下、機電商会)の主催で開催された。

本シンポジウムは、カーボンニュートラルの実現に向けて日中双方が水素分野での協力を強化し、中国国内での連携に加え、第三国市場も視野に入れて経済分野の協力を拡大していくことを目的としており、日本側は在中国日本大使館、中国側は商務部、北京市大興区政府といった政府機関も参加した。このシンポジウムは、2018年の第1回「日中第三国市場協力フォーラム」(注1)、2021年に湖北省武漢市で開催された「日中グリーン低炭素脱炭素第三国市場協力交流会」(以下、交流会)(注2)をフォローアップするイベントと位置づけられる。シンポジウムには日中両国の政府関係者をはじめ、経済団体や水素を含むグリーン分野に関心を持つ企業の関係者170人余りが現場参加した。オンライン参加の約600人を含めた参加者数は合計約770人となった。

写真 シンポジウム参加者の集合写真(中国機電産品輸出入商会提供)

シンポジウム参加者の集合写真(中国機電産品輸出入商会提供)

シンポジウムでは、中国商務部の李飛副部長、日本からは経済産業省の保坂伸経済産業審議官が祝辞を述べたほか、機電商会、ジェトロ、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)、日中経済協会の各北京事務所など十数社・団体の代表が発言を行った。保坂経済産業審議官は「日中両国は低炭素グリーンエネルギーへの転換に共同で取り組み、両国ひいては世界のカーボンニュートラルに貢献している。今回のシンポジウムを契機に、日中両国企業の水素関連分野での協力を促進し、両国の経済貿易関係をさらに深化させたい」と熱い期待を寄せた。

シンポジウムに併せて、参加者は2021年の武漢交流会で発表した「日中第三国市場協力事例集」の18件の重点モデルプロジェクト、4件の中国水素エネルギー企業のパネルおよび中日イノベーション協力モデル区を見学し、インフラやグリーンエネルギー、グリーンファイナンス、設備製造、交通運輸、鉱物資源などの分野における日中協力に対する理解を深めた。

また同日午後、日中双方の参加者は大興区国際水素モデル区(ショールーム、水素ステーション、区内企業)、EC(電子商取引)大手の京東集団の物流企業である京東物流の「アジア1号」北京物流園および同園内に入居する現地企業などを訪問し、日中双方の企業が交流を通じて協力の意向を示した。

写真 視察参加者の集合写真(中国機電産品輸出入商会提供)

視察参加者の集合写真(中国機電産品輸出入商会提供)

(注1)第1回「日中第三国市場協力フォーラム」は、中国の商務部や国家発展改革委員会、経済産業省が主催して2018年10月26日に開催された。

(注2)「日中グリーン低炭素脱炭素第三国市場協力交流会」は、機電商会、ジェトロ、日中経済協会が主催して2021年7月29日に開催された(2021年8月10日記事参照)。

(劉雪嬌)

(中国)

ビジネス短信 8b12d2fc6417ac34