交通運輸省、南部高速道路の建設迅速化を指示

(ベトナム)

ホーチミン発

2023年11月24日

ベトナム交通運輸省は、ホーチミン市と南部メコンデルタ地域のカントー市を結ぶ高速道路計画のうち、南部ビンロン省のミートゥアンとカントー市を結ぶミートゥアン~カントー高速道路プロジェクトの工事の迅速化を指示した(同省機関紙「交通」11月8日)。なお、ホーチミン市からカントー市までの高速道路のうち、そのほかの区間は既に開通している(添付資料図参照)。

ミートゥアン~カントー高速道路は全長22.97キロで、ビンロン省から南部ドンタップ省を通過してカントー市までを結ぶ。第1期工事は2021年1月に着工し、総投資額は4兆8,260億ドン(約299億2,120万円、1ドン=約0.0062円)。道幅は約17メートルで、4車線からなり、今後の拡張工事を経て6車線になる計画だ。

交通運輸相が任命するメンバーで構成する同省管轄のプロジェクト管理委員会の報告書によると、建設プロジェクト全体の進捗率は75%近くに達するが、メコンデルタ地域は現在、雨季に当たり、現行の計画どおり12月末までに建設工事を完了させることは困難を伴うという(「交通」10月27日)。

一方、同省はプロジェクト管理委員会に対して、工事請負業者が3交代制で工事の進捗管理を行い、2023年内に確実に建設プロジェクトを実行するよう要請した。これに先立ち、10月14日にミートゥアン第2橋梁(きょうりょう、注)の接続式に出席したファム・ミン・チン首相が建設現場を視察しており、同月26日には交通運輸省のグエン・ユイ・ラム副大臣も視察に訪れるなど、進捗状況が注目されている。

7月21日にカントー市で開催されたメコンデルタ地域の投資促進セミナーでは、交通インフラが投資誘致のボトルネックの1つであることが指摘された(2023年8月2日記事参照)。建設中のミートゥアン~カントー高速道路が完成すれば、両都市間の所要時間が現在の3~4時間から、約2時間に短縮される。また、国道1号線の交通渋滞緩和や交通事故数の減少に寄与すると期待されている。

(注)ミートゥアン第2橋梁は、ミートゥアン~カントー高速道路の開通に合わせて12月末までに開通予定。ビンロン省と南部ティエンザン省の間を流れるティエン川(メコン川支流)にかかり、建設中のミートゥアン~カントー高速道路と開通済みのチュンルオン~ミートゥアン高速道路を結ぶ。

(児玉良平)

(ベトナム)

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