ジェトロとニューヨーク市経済開発公社が協力覚書を締結、イノベーション分野などで関係強化

(米国、日本)

ニューヨーク発

2023年11月22日

ジェトロは11月20日、米国のニューヨーク市経済開発公社(NYCEDC)との間で協力覚書(MOC)を締結した。市内のジャパン・ソサエティで開催した署名式には、ジェトロとNYCEDCの関係者に加え、在ニューヨーク日本総領事館、日本商工会、日系メディア、市内に立地する日米企業などの関係者20人以上が参加した。

覚書は、ライフサイエンスやサステナビリティー、都市などの各分野で、ビジネスとイノベーションの世界的な拠点の同市と日本の間のベストプラクティス共有や相互支援体制強化のため、ジェトロとNYCEDCが協力関係の構築を目的とするもの。

ジェトロとNYCEDCは今回締結した覚書を踏まえ、日本と同市の経済発展を促進するため、主に次の協力を実施していく。

  1. 投資、起業など企業、雇用創出に関するデータ及び報告書の共有
  2. 国際的に統合されたイノベーションエコシステム構築のためのベストプラクティスや経験の共有
  3. 起業を支援する専門家やネットワークの紹介
  4. ニューヨーク市と日本の企業の事業拡大に関連するデータの収集と共有
  5. 戦略分野への投資促進のため、投資機会、政府の支援ツール、インセンティブを互いに認識し、適切な場合、パートナーシップを確立
  6. NYCEDCまたはジェトロへの訪問団に対する関連情報の提供
  7. ニューヨーク市と日本で、特定分野の事業拡大に資する公的イベントやセミナー、会議が開催される場合の代表者やミッションの派遣
  8. 成長するエコシステムや企業の成長の場としてのニューヨーク市と日本を相互にプロモート

ジェトロは、NYCEDCとの関係強化により、特に日本と同市内でのイノベーションエコシステムの構築支援、日本企業の関心の高い米国スタートアップとのオープンイノベーションでの協業・連携支援、市内のブルックリン・ネービー・ヤードで開発中のテックハブや、NYCEDCが運営する施設でのイベント開催や視察の実施などに取り組んでいく考えだ。

署名式の冒頭であいさつしたジェトロ・ニューヨーク事務所の三浦聡所長は、ジェトロが過去3週間に11社の日本のスタートアップの同市内での活動を支援したことに言及。そのうちの1社は最近、市内で法人格の取得手続きを完了したと紹介した。また、日本企業から同市内のテックエコシステムや関連施設に関する引き合いが増えており、今回の覚書締結を日本と同市のさらなる関係強化につなげる意欲を示した。

また、NYCEDCのアンドリュー・キンバル社長兼最高経営責任者(CEO)も、市内中心部を流れるイーストリバー沿いに立地するイノベーション関連施設のコーネルテックやブルックリン・ネービー・ヤード、ガバナーズ島、インダストリー・シティーなどを連結したイノベーション回廊を構築する構想を紹介し、今後の長期に及ぶ日本との協力に期待を示した。

写真 協力覚書に署名したNYCEDCのキンバル社長兼CEOとジェトロ・ニューヨーク事務所の三浦所長(ジェトロ撮影)

協力覚書に署名したNYCEDCのキンバル社長兼CEOとジェトロ・ニューヨーク事務所の三浦所長(ジェトロ撮影)

(米山洋)

(米国、日本)

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