EU、2021年もプラスチック袋の消費削減、ベルギーの消費が最少

(EU)

ブリュッセル発

2023年11月17日

EU統計局(ユーロスタット)は11月7日、厚さ50マイクロメートル(ミクロン)未満のプラスチック製レジ袋(LPCB)(注)について、2021年EUの1人当たり年間消費量は77枚で、前年比11枚減になったと発表した(プレスリリース外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)。EU全体で消費されたLPCBは342億枚(前年比48億枚減)だった。

このうち、厚さ15ミクロン未満の薄手プラスチック製袋(VLPCB)は、年間消費量が初めて減少した。EU全体で123億枚(前年比26億枚減)となり、データ収集が始まった2018年の141億枚を初めて下回った。厚さ15~50ミクロン未満のLPCBの消費量は2018年以降、減少が続いている。

EUではプラスチック袋使用削減指令外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますにおいて、2025年末までに1人当たりのLPCB年間消費量を40枚に削減することなどを加盟国に義務付けている。

今回のプレスリリースによると、データが入手可能な国の中で1人当たりのLPCB年間消費量が多かったのは、リトアニア(271枚)、ラトビア(204枚)、チェコ(189枚)などで、消費の大半はVLPCBだった。一方、消費量が少なかったのはベルギー(5枚)、ポルトガル(9枚)、スウェーデン(16枚)などとなった。このうちVLPCBの消費量は、ベルギーでは1枚、スウェーデンでは2枚だった。

ユーロスタットは、1人当たりの消費量が加盟国間で大きく異なる理由として、(1)経済的、社会的、政策的要因による政策の実効性の違い、(2)2018~2021年の間に消費削減策を導入した国と、それ以前から取り組みを実施していた国があること、(3)加盟国ごとに採用している計算方法が違うこと、の3点を挙げた。

LPCBの消費量が最も少なかったベルギーでは、2022年9月から使い捨てプラスチック製袋の上市(市場投入、VLPCBおよび再利用基準を満たしているプラスチック製袋を除く)が禁止されている。また、ドイツでも2022年1月からLPCB(VLPCBを除く)を顧客に配布または販売することが禁止(2020年12月25日記事参照)されるなど、加盟国で対応が分かれている。

(注)LPCB(lightweight plastic carrier bags):商品の販売時に顧客に提供される厚さ50ミクロン未満のプラスチック製袋で、持ち手の有無は問わない。

(大中登紀子)

(EU)

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