使い捨てプラスチック製レジ袋の提供、2022年1月から禁止へ

(ドイツ)

ベルリン発

2020年12月25日

ドイツ連邦参議院(上院)は12月18日、「容器包装廃棄物法(Verpackungsgesetz)」(2018年12月20日記事参照)の改正法案を承認した。改正法では、小売業者はプラスチック製レジ袋を顧客に配布または販売することが禁止され、違反した場合は罰金が科される。改正法は2022年1月1日に施行される予定。

小売店での配布や販売が禁止されるプラスチック製レジ袋は、厚さ15~50マイクロメートルのものとなる。果物や野菜、肉などを量り売りする際に利用されている薄手のビニール袋(厚さ15マイクロメートル未満)は規制の対象外となった。環境省は規制対象から除外した理由として、衛生的に食品を販売する手段を確保することと、現時点では代替できる環境負荷が低い包装素材がないこと、禁止によって量り売りが困難となることで流通時に食品のパッケージにプラスチックが利用され、逆に梱包(こんぽう)材の廃棄物が増加してしまうことなどを挙げている。また、50マイクロメートル以上の厚手のプラスチック製の袋も、消費者が繰り返し利用することを前提に対象外とされた。

ドイツでは2016年以降、プラスチック製レジ袋は小売業界の自主ルールにより有料化されており、消費量も年々減少している。プラスチック袋使用削減に関するEU指令外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますでは、加盟国に課している目標の1つとして、2025年末までに軽量プラスチック袋の年間消費量を1人当たり最大40枚とするよう規定しているが、ドイツ小売協会(HDE)が包装市場研究協会(GVM)に依頼した調査によると、2019年にプラスチック製レジ袋の年間使用量は1人当たり年間で約21枚(合計で約17億枚)、前年比で14%減、容器包装廃棄物法導入前の2015年と比べると69%減、このうち50マイクロメートル未満のプラスチック袋の年間使用量は1人当たり18枚となっている。

ドイツ小売協会は同日のプレスリリースで「小売業界の環境問題に対する自主的な取り組みは成功しており、法によらず環境保護に大きく貢献している。新たな法律は過剰な規制だ。業界の自主的な努力を政府が十分に評価せず、不必要な新規制を設けたことは遺憾」としている。

(中村容子)

(ドイツ)

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