「K-造船次世代先導戦略」を発表、世界市場で競争優位を狙う
(韓国)
ソウル発
2023年11月16日
韓国の産業通商資源部は11月15日、「K-造船次世代先導戦略」を発表した。韓国の主力船種の高付加価値・低炭素船舶分野は、中国との技術格差が縮小し、EUや日本がこれら技術を確立するなど、競合国の追い上げに直面している。このような状況を踏まえ、同戦略は、韓国が引き続き世界市場での主導権を堅持し、将来の市場を先取りすることを目的に策定された。
同戦略では、2028年までに合計7,100億ウォン(852億円、1ウォン=約0.12円)を投じ、次世代船舶の世界シェアを56.3%(2022年)から80%(2030年)に引き上げるなどの目標を掲げている。目標達成のため、次の3点の戦略を進めるとしている。
- 将来の技術の先取り:液化天然ガス(LNG)・アンモニア・水素といった脱炭素時代における重要燃料技術の商用化に約2,000億ウォン投入、自動運航船舶技術の商用化に約1,600億ウォン投入など
- 造船産業の建造システムの高度化:造船所のデジタル転換・スマート化に対して約1,500億ウォン投入、ビザ制度の合理的な改善などを通じた持続可能な外国人材需給システムの構築、次世代船舶向け資材の技術開発に対する約2,000億ウォン投入など
- 法制度およびインフラ整備:金融支援インフラの改善、労使や取引企業間の共生協力基盤の構築、「次世代造船産業法」の制定を通じた技術開発および商用化推進、「次世代造船産業革新クラスター」指定による技術商用化の推進など
(橋爪直輝)
(韓国)
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