国家電気自動車政策委員会、新たなEV普及策「EV3.5」を決定

(タイ)

バンコク発

2023年11月08日

タイのセター・タビシン首相が委員長を務める国家電気自動車政策委員会(NEVPC)は11月1日、2024年から2027年までの4年間を対象とした電気自動車(EV)普及支援策「EV3.5」を承認外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。本支援策を通じて、引き続き東南アジアでのEV生産ハブとしてのタイを目指す。

EV3.5の項目は、現行のEV支援策(EV3.0、注)とおおむね同様で、補助金の支給、物品税の減税、輸入関税の引き下げだ。しかし、補助金については、EV3.0が最大15万バーツ(約63万円、1バーツ=約4.2円、1台当たりの額)なのに対し、EV3.5では最大10万バーツと補助額は引き下げられ、輸入完成車の台数に対して義務付けられるタイ国内でのEV生産台数の条件も厳しくなった。具体的には以下のとおりで、詳細は今後、関係省庁で検討する予定だ。

【補助金(1台当たり)】

(1)乗用車

  1. 小売価格200万バーツ以下かつ、電池容量が50キロワット時(kWh)未満:2万~5万バーツ
  2. 小売価格200万バーツ以下かつ、電池容量が50kWh以上:5万~10万バーツ

(2)ピックアップトラック

小売価格200万バーツ以下かつ、電池容量が50kWh以上:5万~10万バーツ

(3)二輪車

小売価格15万バーツ以下かつ、電池容量が3kWh以上:5,000~1万バーツ

【物品税】

700万バーツ以下のEV乗用車:8%から2%に減税

【完成車輸入時の関税】

200万バーツ以下のEV乗用車:2024年から2025年までの2年間、最大40%の引き下げ

なお、当該支援策を受ける条件として、2026年までにタイ国内でのEV生産を開始する場合は、当該補助金を受けて輸入したEV完成車の台数の2倍以上、2027年に生産を始める場合は3倍以上のEV生産を義務付けられる。

(注)2022年に閣議承認されたEVの生産・普及を推進するための補助金制度などの支援策。2023年末が企業による申請期限となっていたが、同制度も期限が2024年1月末まで延長された。

(藤田豊、ピンラウィー・シリサップ)

(タイ)

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