世界インターネット大会烏鎮サミット、中国IT大手がAI技術紹介

(中国)

上海発

2023年11月20日

2023年世界インターネット大会烏鎮サミットが11月8~10日、中国浙江省嘉興市で開催された。同サミットは浙江省政府の主催で、2014年から毎年開催されている。「包摂的で普遍的な恩恵をもたらす強靭(きょうじん)なデジタル世界とサイバー空間での運命共同体の協働体制を構築」をテーマとして、今回は世界126カ国・地域から約1,800人がオフラインとオンラインのハイブリッド形式で参加し、参加国・地域数は過去最高となった。

同サミット開催に合わせ、人工知能(AI)・次世代デジタルインフラ・デジタル技術・AI活用の拡大・農村のデジタルトランスフォーメーション(DX)・ネットワークセキュリティーをテーマとする「インターネットの光」博覧会も開催された。48カ国から580社を超す企業がハイブリッド形式で出展したほか、100近くの新製品・新技術のリリースイベントが開催された。

同博覧会では、最新のインターネット技術が展示され、アリババ、テンセント、華為技術(ファーウェイ)などの中国通信機器大手企業も出展した。

アリババブースでは、映画やドラマ撮影のために開発したバーチャルヒューマンなどを展示。中国のドラマに俳優、女優とともに出演したこともあり、同ブース担当者は、水中や火を使って危険が伴う撮影シーンには、バーチャルヒューマンを採用することで、リスク低減につながると述べた。また、簡単な質疑応答もできるため、今後はさらにCG技術やAI技術が進化することによって、アナウンサーや販売員、受付などへの活用が期待される。

ファーウェイのブースでは「衆尋AIマウス」(CD Mouse-AI)を展示。マウスに搭載されているAI技術は文書や資料の作成、質疑応答、翻訳機能などがあり、無料で体験することができる〔AIマウス参考価格:1個399元(約8,379円、1元=約21円)〕。

また、ファーウェイと中国自動車メーカー賽力斯汽車がスマートドライブシステムの実装を目的に共同開発した電気自動車(EV)「AITO M7」も展示された。ファーウェイが開発したソフトウエアの鴻蒙(Harmony)と、高レベルの自動運転システム「ADS2.0」が使用されている。

写真 ファーウェイのブースとEV「AITO M7」(ジェトロ撮影)

ファーウェイのブースとEV「AITO M7」(ジェトロ撮影)

テンセントブースでは、「手のひら静脈認証」サービスを展示。QRコード決済サービス「微信支付(ウィチャットペイ)」の掌紋認証を使った決済機能「微信刷掌」は広州市内のセブン-イレブンなど各店舗で使用できると発表した。顔認証や指紋認証、掌紋認証決済などの生態認証による決済サービスの活用を推進することによって、モバイル電子決済の効率化、誤認識の防止、非接触技術による衛生管理強化などの利点があるとした。

写真 テンセントのブースと掌紋認証サービスの広告(ジェトロ撮影)

テンセントのブースと掌紋認証サービスの広告(ジェトロ撮影)

(龐婷婷)

(中国)

ビジネス短信 6c55cc9e74e4bd83