シンガポール発スタートアップ、3年連続で北九州市事業に採択
(北九州、シンガポール)
北九州発
2023年11月02日
北九州市は10月27日、北九州市SDGsスタートアップエコシステムコンソーシアム(注)による令和5年度支援プログラムのイベントを開催した。イベントでは、2023年度「スタートアップSDGsイノベーショントライアル事業(SIT-K)」の事業化支援事業および実証支援事業、「グローバルアクセラレーションプログラム(GAP-K)」「メイカーズオープンイノベーショントライアル(MIT-K)」「COMPASS小倉アクセラレーションプログラム」の5つの事業に採択された、シンガポール発スタートアップ2社を含む計21社(者)が、北九州市で実施するプロジェクト内容を発表した。
スタートアップSDGsイノベーショントライアルの実証支援事業は、最大250万円の補助や実証フィールド支援などを実施するプログラムで、2021年度(2021年10月26日記事参照)、2022年度(2023年4月5日記事参照)に引き続き海外発スタートアップ、Azendian Solutions(本社:シンガポール)が採択された。Azendian Solutionsは常夏のシンガポール発で、データ分析により空調設備の消費エネルギー最適化を提案するスタートアップ。サービス利用によって削減に成功した電気代の50%をもらう、というシンプルなビジネスモデルを掲げる。シンガポールと異なり、冷房だけでなく暖房使用量も多く、エネルギー供給が電気のみではなくガスも一定数ある日本での実証実験として、今回、北九州市でテストを行う。
グローバルアクセラレーションプログラムは、2023年度から新たに対象を外国企業にも広げ、SoundEye(本社:シンガポール)が採択された。SoundEyeは、独自のアルゴリズムでサポートされた音声認識やLiDARセンサーデータの処理技術を用いて、高いレベルでプライバシーを保護できるモニタリング製品の開発・販売を行うスタートアップ。2022年度末にジェトロ北九州で実施した招聘(しょうへい)事業をきっかけに、北九州エコシステムの支援施策に魅力を感じ、同プログラムに応募・採択された。
SoundEyeは、各採択企業に対してフルオーダーメイドの伴走支援を提供するグローバルアクセラレーションプログラムを通じて、北九州市の保健福祉局や消防局、介護施設などを訪問し、ヒアリングや実証実験の実現のための面談を実施していく。並行して、北九州市とジェトロの対日投資支援メニューも使いながら、日本拠点の設立を目指す。
(注)2020年7月に内閣府の「スタートアップ・エコシステム推進拠点都市」に採択された。北九州市はスタートアップ支援ポータルサイト、対日投資ホームページを公開している。
(菊地香穂)
(北九州、シンガポール)
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