北九州市初の大規模スタートアップイベントに外資が登壇

(日本)

北九州発

2023年04月05日

北九州市は32930日の2日間、スタートアップをテーマとした大規模イベント「北九州市スタートアップ最前線 KITAKYUSHU WORK AND ROLE 2023」を初めて開催した。北九州市SDGsスタートアップエコシステムコンソーシアム(注)の主催で、支援事業に採択されたスタートアップ30社(者)による成果発表や、製品・サービスの展示のほか、同市にゆかりのあるゲストによるトークセッションが行われ、2日間で市内外から延べ1,011人が来場した。

冒頭、武内和久北九州市長は「北九州市には、特にものづくりや環境の分野で、世界がうなるような素晴らしい技術を有する企業がたくさんある。そういった技術の掛け合わせや若い人とのマッチングを進めて、世界で活躍するスタートアップを生み出していきたい」と意気込みを語った。

支援事業のうちの1つ「スタートアップSDGsイノベーショントライアル(SIT-K)」の実証支援事業では、食品ロスのアップサイクルを行うシンガポール発スタートアップ、CRUST JAPAN(日本本社:大阪府)が登壇。2021年度(2021年10月26日記事参照)に続き2022年度も、シンガポール発スタートアップが同市の補助を受けて実証を行った。CRUST JAPANは同事業で、北九州市若松区にある響灘菜園で年間100トン発生する規格外のトマトを使ったビールのレシピ開発を行い、イベント内で完成したビールを試飲するというかたちで提供した。「HyperLocalModel:超地産地消モデル」を掲げる同社にとって、地元企業のパートナー探しが重要な中、北九州市の手厚いサポートを受けることで、順調に市内企業3社との協業につながった。Crust Japanの平野宏幸氏は今回の成果について、初めて自治体と組んで地方創生モデルの事例を作れたことが大きいとし、他の自治体から反響があることも紹介した。今後はトマトビールの量産化に向けても取り組みを進めていくという。

写真 開会あいさつをする武内北九州市長(北九州市提供)

開会あいさつをする武内北九州市長(北九州市提供)

写真 事業の成果発表をするCRUST JAPANの平野氏(ジェトロ撮影)

事業の成果発表をするCRUST JAPANの平野氏(ジェトロ撮影)

(注)2020年7月に内閣府の「スタートアップ・エコシステム推進拠点都市」に採択された。北九州市はスタートアップ支援ポータルサイト外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます対日投資ウェブサイト外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます「Invest Kitakyushu」を公開している。

(菊地香穂)

(日本)

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