米FDA、化粧品現代化規制法(MoCRA)に基づく製造施設の登録期限を2024年7月1日まで延長

(米国)

ニューヨーク発

2023年11月15日

米国食品医薬品局(FDA)は11月8日、2023年12月から予定していた化粧品現代化規制法(Modernization of Cosmetics Regulation Act of 2022、以下MoCRA)に基づく化粧品製造・加工などの施設登録と化粧品製品リストアップ義務の施行期限を6カ月延長外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますすると発表した。これにより、対象となる製造者が必要事項を登録・リストアップしなければならない期限が当初の12月29日から2024年7月1日まで延期される。延期の理由は、産業界に対して、当該施設登録と製品リストを提出するための十分な時間を与えるためとしている。

MoCRAは、化粧品の安全性の確保に寄与することを目的に、ジョー・バイデン大統領が2022年12月に署名した2023年度歳出法の一部に含まれ、成立した。米国で流通する化粧品の製造または加工に従事する施設の所有者または運営者を対象に、有害事象が発生した際の報告や施設の登録、製品情報のリストアップなどを義務付ける内容となっている(2023年8月25日記事参照)。

FDAは、化粧品の商品情報に関する任意の登録を受け付けるプログラムを運用していたが、2023年3月27日に終了し、MoCRAの登録プログラムの立ち上げに取り組み始めた。以前の任意のプログラムで保管されていた情報は、MoCRAで義務付けられた登録必要事項とは異なるため、MoCRA用に新規に立ち上げたプログラムへは移管されない。そのため、任意で商品情報を登録していた企業でも、MoCRAのプログラムにあらためて登録する必要がある。

なお、登録やリストアップに関する費用はかからない。また、製品登録番号は公開されず、化粧品ブランド名からその商品が製造・加工された施設の登録内容が開示されることはないとしている。その他の情報は、FDAの情報公開規則に基づいて開示される。

(吉田奈津絵)

(米国)

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