米ミシシッピ州知事選、現職のリーブス知事が再選確実
(米国)
ヒューストン発
2023年11月09日
米国ミシシッピ州のテート・リーブス知事(共和党)は11月7日に行われた同州知事選で、州公共サービス委員長を務めるブランドン・プレスリー候補(民主党、注1)を破って再選を確実にしたとFOX、CNNなどの複数メディアが報じた。現地時間同日午後10時45分ごろ、プレスリー候補は支持者に向けて敗北を認め、リーブス知事が勝利宣言をした(11月7日地元紙「クラリオン・レジャー」)。
事前には接戦を予想する報道もあったが、現職の強さを発揮した。ドナルド・トランプ前大統領は10月31日、ビデオメッセージでリーブス知事への支持を表明していた。
リーブス知事は1974年生まれの49歳。2003年に州財務長官、2011年に副知事に選ばれ、2020年1月に知事に就任した。ミシシッピ州知事の任期は1期4年、2期までに制限されている。2期目は2024年1月から2028年1月までの4年間。
リーブス知事は州経済の成長実現を重視する政策を掲げている。2022年11月に発表した予算教書では「ミシシッピ州の経済エンジンに燃料を供給し続ける」と明記。個人所得税の廃止や、学童への最高水準の教育の提供、質の高い労働力確保などを優先課題に挙げている。知事は11月1日のプレスリー候補との討論会でも、州個人所得税の撤廃を主張していた(注2)。
同州に進出する外資企業の中で、日本企業の存在感は大きい。州内拠点数は87、雇用者数は1万100人で、日本は外資中1位だ(2021年時点、米国商務省経済分析局)。自動車産業の集積地の同州には、日産やトヨタ、横浜ゴムなどが進出している。知事は投票まで3週間を切った10月19日、同州ビロクシで開かれた「サザン・オートモーティブ・カンファレンス(SAC)」でジェトロのジャパンパビリオンを訪れ、出展した日本の自動車部品企業のブースを視察した(2023年10月26日記事参照)。その際に「自動車は州経済にとって重要産業だ。とりわけ日本企業の存在は特別」と語っていた。
(注1)はとこは、米国ロック歌手の故エルビス・プレスリー。
(注2)ミシシッピ州では1万ドルを超える課税所得者に対する2023年の税率は5%。米国内ではテキサス州など9州で税率ゼロ。
(桜内政大)
(米国)
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