インド初のネットゼロ・ビジネスパーク開所

(インド)

チェンナイ発

2023年11月15日

シンガポール系投資運用会社のキャピタランド・インベストメント・インディアは10月31日、インドで初めてネットゼロビル認証(注)を取得したインターナショナル・テック・パーク・チェンナイの1棟目の開所式を行った。式典にはタミル・ナドゥ州のスターリン首相、ラジャア工業相などが出席した(同社プレスリリース外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)。このプロジェクトには三菱地所が参画しており、総事業費約200億ルピー(約360億円、1ルピー=約1.8円)の50%を出資している。

写真 開所式でスターリン州首相が祝辞を述べた(ジェトロ撮影)

開所式でスターリン州首相が祝辞を述べた(ジェトロ撮影)

インターナショナル・テック・パーク・チェンナイは、チェンナイ近郊の国際空港から南東に約3キロのIT回廊沿いに位置し、地上11階、地下3階建ての2棟構成で開発されている。敷地面積は500万平方フィート(約46.5ヘクタール)で、完成後は総勢5万人を超えるIT人材の就業が可能だ。今回運用を開始したのは、総床面積130万平方フィート分で、その約2割の25万平方フィートには既にデンマーク系企業の風力発電メーカーのベスタス・ウインド・テクノロジー・インディアが入居リース契約を結んでいる。2棟目の完成は2024年末を予定している。

写真 開所したインターナショナル・テック・パーク・チェンナイの1棟目(ジェトロ撮影)

開所したインターナショナル・テック・パーク・チェンナイの1棟目(ジェトロ撮影)

このビルの特徴は、インド・グリーンビルディング評議会(IGBC)から、国内初となる「ネットゼロビル認証」を取得している点だ。ビルの運営・管理にはIT機能を積極的に活用し、リアルタイムのデータ分析によってビル全体のエネルギー効率制御が可能になっている。また、環境面についてもビル全体照明の75%に自然採光を活用するなど、入居企業の就業者の働きやすさにも最大限に配慮している。

チェンナイ近郊にはインド工科大学(IIT)マドラス校をはじめとした工科大学も多く、優秀な人材が活躍している。グローバル企業がチェンナイでオフィスを構える機会も増加する傾向にあり、新しい働き方に適した環境整備が拡大すると期待される。

(注)ネットゼロビル認証:インド・クリーンビルディング評議会(IGBC)により、エネルギー効率や節水、廃棄物管理などのパラメーターを総合的に評価し、決定される環境認証。

(淺羽英樹)

(インド)

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