2024年11月までに首相交代へ、リー・シェンロン氏が発表

(シンガポール)

シンガポール発

2023年11月06日

シンガポールのリー・シェンロン首相は11月5日、自らが率いる与党・人民行動党(PAP)の党大会で、同党が結党70周年を迎える2024年11月21日の前に、首相交代すると発表した。2025年11月までに実施が予定される総選挙に先駆けて、ローレンス・ウォン副首相兼財務相が首相に就任する見通しとなった。

リー首相は2022年4月、ローレンス・ウォン氏がPAPの第4世代指導者として、閣僚と議員全員の支持を獲得したと発表していた(2022年4月18日記事参照)。同首相は演説の中で、ウォン氏より、「(首相交代の)準備ができたと言われた」と語った。その上で、「(ウォン氏率いる)チームを完全に信頼している。政権移譲を遅らせる理由はない」と述べた。リー氏は2004年8月に、シンガポールの3代目首相に就任していた。

同首相は次期総選挙前の首相交代について、「ウォン氏が次期総選挙運動を率いて、有権者の支持を獲得した上で、国を未来へ率いることを意味する」と強調した。また、首相交代後の自身の進退について、「(ウォン氏にとり)有用だと思うところに行く」考えを示した。同首相は、「ウォン氏率いるチームが次期総選挙で勝利するために最大限、支援したい」と強調した。

第4世代指導者層、官民対話でまとめた未来の国家方針を発表

同首相は首相交代の背景について、第4世代の指導者チームが、「フォワード・シンガポール(前進シンガポール)」など国家的なアジェンダの設定にかかわるようになっていると説明した。フォワード・シンガポールは、官民対話を通じて未来の国家のあり方を策定する官民対話。同チームは2022年6月から16カ月にわたり、約20万人の国民から意見収集を実施。その結果を、2023年10月27日に発表していた(注)。政府は同対話に基づくイニシアチブの導入を予定しており、その詳細を今後数カ月以内に発表の予定だ。

(注)官民対話「フォワード・シンガポール」のレポートは、ウェブサイト外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます参照。

(本田智津絵)

(シンガポール)

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