8~10月期の失業率は2.9%、前期から0.1ポイント悪化

(香港)

香港発

2023年11月29日

香港特別行政区政府統計処は11月16日、8~10月期の失業率(季節調整済み、速報値)について、7~9月期から0.1ポイント上昇の2.9%と発表した(添付資料図参照)。

業種別にみると、改善したのは「建築」(前期から0.1ポイント低下の3.8%)と「その他の業種」(同0.2ポイント低下の3.3%)で、「金融・保険・不動産・専門およびビジネスサービス」(2.5%)、「行政・社会・個人向けサービス」(1.4%)は横ばいだった。「製造」(前期から0.4ポイント上昇の4.5%)、「貿易・卸売り」(同0.3ポイント上昇の3.1%)、「小売り・宿泊・飲食サービス」(同0.1ポイント上昇の3.8%)、「運輸・倉庫・郵便・宅配サービス・情報・通信業」(同0.2ポイント上昇の3.0%)は悪化した。

年代別では、「15~19歳」(前期から1.0ポイント低下の10.4%)、「20~29歳」(同0.2ポイント低下の6.0%)の若年層の雇用状況が改善した。一方、「30~39歳」(同0.1ポイント上昇の2.3%)、「40~49歳」(同0.1ポイント上昇の2.4%)、「50~59歳」(同0.1ポイント上昇の2.9%)、「60歳以上」(同0.2ポイント上昇の2.4%)の雇用状況は前期から悪化した。

香港政府労働・福祉局の孫玉菡局長は「失業率は2.9%と依然として低い水準にある」と強調し、今後の見通しについて「インバウンド観光と域内消費が短期的に経済成長を引き続き下支えするだろう。外部環境の悪化を要因としたマイナスの影響が生じる可能性があるにもかかわらず、労働市場は引き続き人手不足で厳しい状況が今後数カ月続くだろう」との見方を示した。

香港中文大学の荘太量教授は「観光客数は回復し続け、小売業など多くの産業で業績が新型コロナウイルス流行前の水準に戻り始めており、香港の全体的な雇用市場は引き続き安定している」との見解を示した(「香港経済日報」11月17日)。

(松浦広子)

(香港)

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