山東省、工作機械産業に関する計画を発表

(中国)

青島発

2023年11月21日

中国山東省政府は11月17日、「山東省の工作機械産業の質の高い発展行動計画(2023-2027年)」(魯政字〔2023〕210号)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを発表した(文書は11月11日付)。

同計画では、工作機械について、金属切削機械などの除去製造設備、鋳造、鍛造プレス、溶接、熱処理および表面処理などの製造設備、3Dプリントなどの付加製造設備を含むものと定義し、工業現代化の基盤と位置づけている。

また、同計画では(1)産業規模の絶え間ない拡大、(2)イノベーション能力向上の継続、(3)産業における応用の着実な深化、(4)企業の実力の顕著な強化の4項目が挙げられており、それぞれの項目について目標が設定されている。

(1)では、山東省の工作機械産業の規模の急速な成長を維持し、営業収入を2025年までに700億元(約1兆4,700億円、1元=約21円)超に、2027年までに850億元超にすることを掲げた。

(2)では、2027年までに、重点企業における工作機械の国産化率を75%程度にするとしている。

(3)では、2025年までに新エネルギー車、電子情報、軌道交通、建設機械、農業機械設備、船舶海洋エンジニアリング、航空宇宙、原子力発電などの重点分野で、20以上の典型的な応用シーンを作るとしている。

さらに、主な措置として(1)イノベーションにおける課題解決行動の実施、(2)連鎖的発展の向上行動の実施、(3)応用の高度な開拓行動の実施、(4)産業クラスターの質向上行動の実施、(5)イノベーション体系の構築行動の実施、(6)企業のデジタル化転換行動の実施の6項目が挙げられている。

このほか、政策による保障として(1)組織の指導強化、(2)政策支援の拡大、(3)資金保障の強化、(4)人材面でのサポート強化の4項目が挙げられている。

うち、(2)では、山東省の工作機械製品を「免税輸入対象外の重大技術設備・産品目録」(注)へ組み入れることを積極的に推奨するとしている。

(3)では、山東省のエンドユーザーがイノベーティブな工作機械を購入して技術改造を実施する、または増資して生産を拡大することを奨励し、条件を満たせば1社当たり最高500万元の設備奨励金・補助金を与えるとしている。

(注)中国国内ですでに生産することが可能な重大技術設備・製品のリスト(2021年12月27日記事参照)。

(赤澤陽平)

(中国)

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