中国の協働ロボットが愛知に進出、人手不足問題の解決に意欲

(中国、日本)

上海発

2023年11月28日

数多くの中国のロボットメーカーが昨今、国外に進出している。協働ロボットの研究開発と生産販売を行う節卡機器人(JAKA ROBOTICS、本社:上海市)は5月、日本法人を設立し、省人化のソリューション提供を通じた日本の人手不足の課題解決に意欲を示している。ジェトロは、対日投資ビジネスサポートセンター(IBSC)を通じて、同社に対して日本市場の情報提供や、日本法人設立に関する専門家の指導、補助金制度の説明などを行い、日本法人設立を支援した。日本進出について話を聞いた。

JAKA ROBOTICSについて

JAKA ROBOTICSは、2014年にロボット研究者とエンジニアが共同で設立し、江蘇省常州市に工場を構えた。近い将来、中国で工場労働者が不足し、社会課題となることを見越して、生産ラインで人と協働しながら仕事をするロボットの研究開発に取り組んだ。同社の協働ロボットは、生産プロセスでネジ締めやパッケージング、研磨、コーディング、塗装、溶接、パレタイジング、組み付けなどの作業ができる。自動車・自動車部品、電子、精密加工、医薬化学、食品包装などの幅広い分野で活用されており、軽量、操作性、ワイヤレス接続、低コストが評価され、世界3,000社以上で採用されている。

写真 同社製品の写真(JAKA ROBOTICS提供)

同社製品の写真(JAKA ROBOTICS提供)

日本法人設立について

2021年からトヨタ自動車の日本の工場に納品。日本の大手電機メーカーとの取引もある。顧客向けのアフターサービスを充実させるため、日本拠点の設立を決めた。

JAKA日本法人は10月に名古屋市で開催されたロボット展示会「Factory Innovation Week 2023」に出展。3D運搬用複合ロボットなど、高精度かつ多角的なスマート製造のソリューションをPRした。今後、日本の販売代理店とともに、販売ネットワークの拡大やさらなる投資に取り組むという。

日本法人の販売担当者の王彦淇氏は日本市場の見通しについて「中国と比べて日本市場は新製品の導入に慎重な一方、日本の労働力不足に伴い、生産ラインでのロボット導入に対するニーズがより逼迫していると感じる。日本国内の各産業を分析して高品質な製品を届け、自動化や省人化のソリューションを提供したい。日本法人では、技術サポートとお客さまが安心できるアフターサービスを一貫して提供する」と述べた。

中国のロボット情報専門サイト「OFweek」によると、中国のロボットメーカーは国内での競争激化や国外でのロボット需要の高まりを背景として、相次いで国外に進出している。日本にはJAKA ROBOTICSのほか、AUBO、ELITE ROBOTS、DOBOT、ROKAEなどの大手メーカーが進出している。そのうち、協働ロボットメーカー大手のAUBOは代理店と連携して、11月から日本市場で正式販売を開始した。

(張培葉)

(中国、日本)

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