IPEFサプライチェーン協定への参加、タイが閣議承認

(タイ、米国)

バンコク発

2023年11月13日

タイ外務省が内閣に提出した「インド太平洋経済枠組み(IPEF)サプライチェーン協定」の草案と、タイが同協定(2023年9月11日記事参照)に参加することが11月7日の閣議で承認外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますされた。この件については次のとおり、関係閣僚・当局が担当する。

  • 副首相兼外務相またはその代理人:同草案への署名を行う
  • 関係省庁:同協定の施行のための内部手続きを行う
  • 外務省:批准書を作成し、寄託機関に同書を寄託する

タイ政府の発表によると、同草案は11月13~14日に米国サンフランシスコで開催されるIPEF閣僚会合で、IPEFパートナー国が署名する予定となっている。同協定は、パートナー国のうち少なくとも5カ国が批准した日の30日後に発効する。

同協定は、IPEF枠組み(柱1:貿易、柱2:サプライチェーン、柱3:クリーンエネルギー、脱炭素化、インフラ、柱4:税、腐敗防止)の下で初めて発効する見通しの協定だ。サプライチェーンの透明化と多様化、包括的な貿易・投資政策の開発、労働者の権利保護、混乱に対する連携した集団的対応の促進、市場メカニズムの是正、サプライチェーン分野の協力(投資、教育、インフラ、産業能力開発、連結性など)の支援を目的としている。

同協定は次のような要素を含んでいる。

  1. サプライチェーンを強化するための連携
  2. サプライチェーンを強化するための行動
  3. サプライチェーンを増強するための規制の透明性促進
  4. 労働者の役割向上、各施設の労働者の権利に対する齟齬(そご)への対応
  5. サプライチェーンシステム関連の規制メカニズムの創設(サプライチェーン協議会、サプライチェーン危機対応ネットワーク、労働者権利諮問委員会の設置など)
  6. 重要セクターまたは主要物品の特定
  7. サプライチェーンの脆弱(ぜいじゃく)性のモニタリングと対処
  8. サプライチェーンの混乱への対応

タイ開発研究所(TDRI)の調査によると、タイはIPEFの第2の柱のサプライチェーンの協力によって情報アクセスを向上させ、さまざまな連携メカニズム、特にサプライチェーン危機対応ネットワークを活用し、重要産業への投資を誘致することができるほか、タイの輸出に対する障壁を軽減するための国際協力も得ることができるという。

(北見創、シリンポーン・パックピンペット)

(タイ、米国)

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