国家イノベーションセンター(NIC)ホアラック開所 、イノベーション創出拠点を目指す

(ベトナム)

ハノイ発

2023年11月10日

ベトナム計画投資省(MPI)は10月28日、ハノイ市西部のホアラック・ハイテクパーク内に建設していたベトナム国家イノベーションセンター(Vietnam National Innovation Center:NIC)ホアラックの開所式典を開催した。ファム・ミン・チン首相や、NICを所管するグエン・チー・ズン計画投資相のほか、中央省庁や地方省の関係者、日本をはじめ外国の政府・企業関係者らが多数参加した。

ホアラック・ハイテクパークは、ハノイ市中心部から西に35キロほどのところに位置する科学・産業技術集積拠点で、日本のODAによって基礎インフラ整備が進められた(2015年7月14日記事参照)。公立の日越大学や私立のFPT大学などの学術機関、日産オートモーティブテクノロジーやベトテル(ベトナム軍隊工業通信グループ)などの企業、研究機関が集積し、最新技術の移転、開発の中心となる科学技術都市を目指している。

今回開所したNICホアラックはイノベーション創出の中核機関の位置づけで、2021年1月に着工(2021年1月20日記事参照)。ホアラック・ハイテクパーク内の約2万平方メートルの敷地に、コンベンションホール、スタートアップ向けのコワーキングスペース、半導体設計トレーニングセンター、韓国サムスンが設立したビッグデータや人工知能(AI)に関する人材教育センターなどを備えた複合施設だ。

開所式典では、NICが地場の大学やグーグル、ベトナム郵政通信グループ(VNPT)などの国内外企業と、半導体産業のイノベーション促進や人材育成などに関する協力覚書を締結した。

チン首相は、半導体産業やグリーン水素エネルギー産業など高付加価値分野のインフラ構築や人材育成、企業間や産学間の連携を促進するエコシステム形成などに課題があるとし、日本をはじめ外国企業によるホアラックへのさらなる事業展開や投資を呼び掛けた。

NIC内では10月28日~11月1日の期間で「ベトナム国際イノベーションエキスポ2023」も開催され、国内外の大企業やスタートアップ約200社が出展した。日本企業ではルネサス、ニイヌマ、ゼロボードなどが自社サービスをPRした。

写真 NICの外観(ジェトロ撮影)

NICの外観(ジェトロ撮影)

写真  開所式であいさつするファム・ミン・チン首相(ジェトロ撮影)

開所式であいさつするファム・ミン・チン首相(ジェトロ撮影)

(山梨彰彦)

(ベトナム)

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