ニュージャージー州が2035年までにガソリン車販売を禁止、全米で11州目

(米国)

ニューヨーク発

2023年11月29日

米国ニュージャージー州のフィル・マーフィー知事(民主党)と同州環境保護局(DOP)は11月21日、「アドバンスド・クリーン・カーズII(ACCII)」規制を12月18日に採択する申請をしたことを発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。2035年までに州内で販売する全ての新車乗用車(小型トラックを含む)をゼロエミッション車〔ZEV:プラグインハイブリッド車(PHEV)、バッテリー式電気自動車(BEV)、燃料電池車(FCV))とする内容で、カリフォルニア州は2022年8月25日にACCIIを承認している(2022年9月1日記事参照)。

ACCとは、カリフォルニア州が定めるZEV販売規制と排ガス基準を含む低排出車(LEV)規制など複数の規制を包括するもの。2022年8月に承認されたACCIIでは、全新車販売台数に占めるZEVの割合を2026年製で35%とした後、毎年、割合が増加し2035年製で100%とするよう定めた。ニュージャージー州が2023年8月に発表したACCII規制案外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますでは、2027年1月から販売される2027年製以降の車両に関し、ZEVの割合の段階的な増加をメーカーに課すほか、従来のガソリン車およびディーゼル車からの二酸化炭素(CO2)、窒素酸化物(NOx)や微粒子上物質(PM2.5)などの複合汚染物質の排出基準の達成を義務付けている。同州ACCII規制の詳細は、12月上旬から州政府ホームページ外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますで閲覧が可能。また、州官報へは12月18日に掲載される。

カリフォルニア州は、連邦の環境規制である大気浄化法(CAA)以前より自動車の排出ガス規制に取り組んでいたことから、CAA209条のもとで、連邦レベルよりも厳しい基準値である場合に限り、連邦基準の適用免除が認められている。現在、カリフォルニア州大気資源委員会(CARB)は、米国環境保護庁(EPA)に対しACCIIの適用免除を申請しており、承認されれば同州ではACCIIが適用免除されることとなる。またCAA177条では、他の州でもカリフォルニア州の基準を採用することが認められており、CARBによると、11月時点でACCIIを採用する州は、マサチューセッツ州、ニューヨーク州、オレゴン州、バーモント州、バージニア州、ワシントン州(以上2026年製から適用)のほか、メリーランド州、コロラド州、ニューメキシコ州(以上2027年製から適用)を含む10州となっている。ニュージャージー州を含めると自動車登録台数の合計は、全米の3割以上(注)を占め、連邦規制とともに自動車メーカーにとっての影響は大きい。ACCIIの適用免除の可否および今後の他州での採用動向が注目される。

(注)2022年の乗用車および小型トラックの登録台数(エネルギー省発表)

(大原典子)

(米国)

ビジネス短信 07abe77ac468e87a