米加州大気資源委、ゼロエミッション車規制承認、2035年までにガソリン新車販売を全面禁止へ

(米国)

サンフランシスコ発

2022年09月01日

米国カリフォルニア州大気資源委員会(CARB)は8月25日、州内で販売する全ての新車乗用車(小型トラックを含む)を2035年までに無排出車(ゼロエミッション車:ZEV)にする目標の達成に向けた規制「アドバンスド・クリーン・カーズII(ACC II)」を正式に承認外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。CARBは2022年4月に、2026年以降の具体的なZEV規制案を発表していた(2022年4月21日記事参照)。

同規制は、乗用車の新車販売に占めるZEVの割合を2026年式モデルで35%、2030年式では68%と定めている(注)。カリフォルニア州エネルギー委員会(CEC)によると、2022年第1~2四半期(1~6月)の新車販売に占めるZEVの割合は16.48%となっている。CARBは、同規制により販売されるガソリン車が2030年までに290万台減少し、2035年までに950万台減少するとみている。

同規制でZEVに含まれる車両は、プラグインハイブリッド車(PHEV)、バッテリー式電気自動車(BEV)、燃料電池車(FCV)。PHEVは電動での実走行距離が50マイル(約80キロ)以上である必要がある。また、自動車メーカーが販売できるPHEVの割合は、全ZEVの20%以下となっている。BEVとFCVに関しては、充電1回当たりの走行距離が150マイル(約241キロ)以上で、急速充電が可能であることなどが条件だ。

主要自動車メーカーを代表する米国自動車イノベーション協会(AAI)のジョン・ボゼーラ会長兼最高経営責任者(CEO)は公式発表で「カリフォルニア州のEV(電気自動車)市場シェアは約18%で、同6.3%の全米の先頭に立っている。しかし、同州のEV販売の義務付けは、数十年にわたってEV政策を支えてきたに同州にとっても、非常にアグレッシブで極めて困難なものだ」と述べた。他方、大手EVメーカーのテスラモーターズは、CARBに宛てた7月26日付の書簡で、PHEV割合の上限を削減し2030年までに100%ZEVにすべきだと提案していた。同社のジョセフ・メンデルソン上級顧問は8月25日、「(同規制は)達成可能であり、カリフォルニア州が乗用車セクターのEV化をリードする道を開くものだ」と述べている(ロイター8月25日)。

(注)2035年までに求められるZEVの割合は以下のとおり。

2026年式:36%、2027年式:43%、2028年式:51%、2029年式:59%、2030年式:68%、2031年式:76%、2032年式:82%、2033年式:88%、2034年式:94%、2035年式100%。

(田中三保子)

(米国)

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