南ア政府、グリーン水素イベント「SAGHS 2023」を開催

(南アフリカ共和国、日本、ドイツ)

ヨハネスブルク発

2023年11月07日

南アフリカ共和国政府は10月17日から18日にかけて、ケープタウンで「南アフリカ・グリーン水素サミット(SAGHS)2023」外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを開催した。シリル・ラマポーザ大統領はオンラインで演説を行い、「政府は投資戦略の中でグリーン水素産業の今後の成長を期待し、投資の可能性を持つフロンティアセクターの1つに水素を位置付けている。水素経済は2050年までに南アのGDP成長率を3.6%押し上げ、37万人の雇用を創出する可能性がある」と述べた。本サミットでは、水素の商業化に着目した議論が行われたほか、MOU(覚書)の締結や進行中の研究開発、国別セッション、併設展示会があった。

本サミットの会期中に、サソール(南ア化学品・エネルギー大手)、アングロアメリカ・プラチナム(英国鉱業大手)、BMW(ドイツ自動車大手)の3社が協力協定に署名した。これにより、今後4年間の開発期間を経て、水素燃料電池車(FCEV)の試運転を南ア国内で実施することが表明された。BMWがFCEVの「BMW iX5 Hydrogen」を提供、サソールがグリーン水素と移動式燃料補給機を供給する。アングロアメリカ・プラチナムは白金族金属(PGM)を供給し、3社で水素モビリティ・エコシステムの構築、FCEV の国内普及と関連インフラの整備を推進することが期待される。

国別セッションには、投資に積極的なドイツなどが参加した。また近年、水素案件投資先として注目を浴びているナミビアのプレゼンテーションには多くの人が来場した。11月17日に開催された「ジャパンセッション」では、日本の公的機関によるさまざまな支援策の説明が行われ、国際協力銀行(JBIC)、国際協力機構(JICA)、ジェトロが登壇した。ジェトロは、ネットワーキング事業として毎月1回、南ア政府関係者や企業が講演する勉強会「水素ネットワークin南ア」を紹介した。あわせて、ジェトロが2023年2月に南ア政府と協力し、開催予定の水素ミッションについて案内した。また、日本企業が南アの脱炭素に貢献する目的で水素とアンモニアをどのように活用できるかについて、伊藤忠商事、三菱重工業、JBICがパネリスト、三菱UFJがモデレーターでパネルディスカッションが行われた。

写真 サミットの様子(ジェトロ撮影)

サミットの様子(ジェトロ撮影)

写真 併設展示会の様子(ジェトロ撮影)

併設展示会の様子(ジェトロ撮影)

写真 ジェトロの講演(ジェトロ撮影)

ジェトロの講演(ジェトロ撮影)

写真 ジャパンセッション記念撮影(ジェトロ撮影)

ジャパンセッション記念撮影(ジェトロ撮影)

(堀内千浪)

(南アフリカ共和国、日本、ドイツ)

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