四川省と重慶市、1~9月の経済指標を発表、消費需要が回復傾向
(中国)
成都発
2023年10月31日
中国の四川省統計局が10月19日、重慶市統計局が20日、成都市統計局が24日に、それぞれ2023年1~9月期の経済指標を発表した。
四川省の域内総生産(GRP)は4兆3,387億元(約86兆7,740億円、1元=約20円)で、前年同期比6.5%増となり、中国全体の成長率5.2%を1.3ポイント上回った。同局は「第1四半期(1~3月)では中国全体の伸びを下回ったが、第3四半期(7~9月)でそれを上回り、四川省の経済は持続的な回復へ向かっている」と評価している。四川省の省都・成都市のGRPは1兆6,114億3,000万元、同6.7%増と、四川省とほぼ同じ水準の伸び幅だった。重慶市のGRPは同5.6%増の2兆2,243億8,800万元で、重慶市統計局は「重慶市の経済は回復傾向にある」と評価した。
主要経済指標をみると、固定資産投資では、四川省が5.1%増と、中国全体の成長率3.1%を2ポイント上回った。成都市は1.8%増で、2023年上半期(1~6月)の2.7%減から回復した(2023年8月7日記事参照)。重慶市は3.6%増で、中国全体の伸びをわずかに上回った。一方で、不動産開発投資では、四川省は21.3%減、重慶市は15.7%減と大幅に落ち込んだ。
社会消費品小売総額は、四川省が9.2%増、成都市が10.7%増、重慶市が7.4%増と、いずれも中国全体の成長率6.8%増を上回った。消費形態ごとに見ると、特に飲食業収入は、四川省が16.1%増、成都市が25.3%増、重慶市は18.9%増といずれも好調だった。
1~9月の四川省の工業生産増加額(付加価値ベース)は前年同期比6.8%増で、中国全体の成長率4.0%を2.8ポイントに上回った。一方、同省のマイクロコンピュータの生産量が27.7%減と大幅に落ち込み、四川省統計局は「コンピュータ、通信、電子設備製造業の発展は期待以下だった」と述べている。重慶市は5.7%増で、産業別にみると、素材産業(10.3%増)、新エネルギー車産業(10.2%増)が好調だった。
(王慧シン)
(中国)
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