化学関連品輸入時における構成化学物質の申告義務が一部緩和

(インド)

ニューデリー発

2023年10月05日

インド財務省間接税関税中央委員会(CBIC)は9月30日付通達外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますで、特定の化学関連品の輸入に際する構成化学物質の情報開示義務の施行日を2023年10月1日から10月15日に延期するとともに、義務付ける開示内容を一部緩和した。当初の6月7日の通告概要(2023年8月29日記事参照)からの主な変更点は次のとおり。

〇対象品目のうち、38類(各種の化学工業生産品)に関しては、3808項(殺虫剤等)のみを対象とする(28類、29類、32類、39類に関しては従来どおり)。

〇対象となる化学関連品に関しては、情報開示内容を次の3分類とする。

  1. バルク、基礎化学品:CAS登録番号とIUPAC名(注1)ともに開示を義務化
  2. 配合物、混合物:主な構成化学物質(少なくとも1種類)のCAS登録番号とIUPAC名ともに開示を義務化
  3. 特殊構成品、研究用、その他:主な構成化学物質(少なくとも1種類)のCAS登録番号またはIUPAC名のいずれかの開示を義務化

〇輸出企業が機密性を理由として、構成化学物質についてまったく情報を開示しない場合には、輸入企業は税関申告書(Bill of Entry:BOE)にその旨を自己申告する(注2)。

〇BOEに記載された構成化学物質の詳細は、当局関係者以外は読めないかたちで取り扱われる。

今回の情報開示義務化を巡っては、化学関連品を取り扱う各企業から多くの懸念の声があがっていた。所管省庁であるインド化学品・肥料省の化学品・石油化学品局は、産業関係者を対象とした意見交換会を、直近で少なくとも2回(8月18日、9月20日)開催するなど、通達内容の再検討を余儀なくされていた。今回の追加通達は、そうした産業界の声を一部反映した内容となっている。

(注1)IUPAC名は、国際純正・応用科学連合(IUPAC)が定める命名法に沿った化合物の名称。CAS登録番号は、世界的に利用されている個々の化学物質に固有の識別番号。

(注2)自己申告文面のひな型は次のとおり。

Declaration on non-availability of CAS & IUPAC details

I certify that the information related to IUPAC & CAS number is not in my possession as the same is not provided by my supplier due to confidentiality.

(広木拓)

(インド)

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