米エクソンモービル、米石油大手パイオニア・ナチュラル・リソーシズを買収

(米国)

ヒューストン発

2023年10月12日

米国石油大手のエクソンモービル(本社:テキサス州スプリング)は10月11日、米国大手独立系石油ガス開発会社パイオニア・ナチュラル・リソーシズ(本社:テキサス州アービング)を約595億ドルで買収すると発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。パイオニアの負債を含めた取引額の総額は約645億ドルとなる。

両社は、テキサス州とニューメキシコ州にまたがるパーミアン盆地の中でも優良なミッドランド盆地とデラウェア盆地で石油ガス開発を実施している。今回の買収により、エクソンモービルはパーミアン盆地で約142万エーカー(約5,747平方キロ)の土地、160億バレルの石油ガスを保有することなる。パーミアン盆地でエクソンモービルの1日当たりの石油ガス生産量は130万バレル(2023年ベース)と2倍以上となり、2027年には約200万バレルまで増加すると見込んでいる。

エクソンモービルのダレン・ウッズ会長兼最高経営責任者(CEO)は「パイオニアは、パーミアン盆地で類を見ない資産を保有し、深い知見を有するリーダー的存在だ。両社が保有する権益は隣接しており、エクソンの技術を展開することで、生産効率とともに資本効率の向上が期待できる。環境面でも両者のベストプラクティスを共有することで、環境負荷を低減することが可能となり、パイオニアのネットゼロ計画を2050年から2035年に前倒しする予定だ」と述べた。

最近の類似の買収事例として、米国石油大手シェブロン(本社:カリフォルニア州サン・ラモン)が5月22日に米国の独立系石油ガス開発企業PDCエナジー(本社:コロラド州デンバー)を76億ドルで買収している(2023年5月23日記事参照)。

(深石晃)

(米国)

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