米GDP成長率、2023年第3四半期は前期比年率4.9%、個人消費が牽引

(米国)

ニューヨーク発

2023年10月27日

米国商務省が10月26日に発表した2023年第3四半期(7~9月)の実質GDP成長率(速報値)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますは前期比年率4.9%となり、市場予想(4.3%)を上回った。2021年第4四半期以降で最も高い伸びとなった(添付資料図1参照)。

需要項目別にみると、内需では個人消費が前期比年率4.0%増、寄与度2.7ポイントと、第2四半期(0.8%増)から盛り返し、第1四半期(3.8%増)と同程度の強い伸びになり、当期の成長を主導した。財(前期比年率4.8%増、寄与度1.1ポイント)、サービス(3.6%増、寄与度1.6ポイント)ともに増加した。それぞれの内訳では、財部門では、レクリエーショングッズに牽引された耐久財(7.6%増、寄与度0.6ポイント)、衣料品などに牽引された非耐久財(3.3%増、寄与度0.5ポイント)と、季節性の高い需要が伸びを牽引した。サービス部門では、フードサービスやレクリエーションサービスなどの季節性の高い需要だけでなく、ヘルスケアサービスや住居サービスをはじめ全ての分野でプラスとなった(添付資料図2、表参照)。

設備投資は前期比年率0.1%減と前期(7.4%増)から一転し、2021年第3四半期以来のマイナスとなった。内訳をみると、内容はまちまちだ。機器については、前期に高い伸びを示した輸送用機器が横ばいだったほか、コンピュータをはじめとする情報関連機器はマイナスになるなど減少した結果、機器全体では3.8%減となった。他方で、知的財産については、ソフトウエア投資を中心に引き続き伸びており2.6%増となっているほか、構築物についても、2023年前半の大幅な伸びよりは減速しているものの製造業を中心に引き続き伸びを維持し1.6%増となった(添付表参照)。

住宅投資は戸建てを中心に伸びを示し、前期比年率3.9%増と2021年第1四半期以来のプラスとなった。住宅ローン金利が20年ぶりの高水準となっていることなどを背景とした住み替え需要の減少により、中古住宅市場の在庫不足が続く中で、新築住宅の建設が進んでいることなどが要因とみられる。

また、外需では、輸出が前期比年率6.2%増、輸入は5.7%増とともにプラスとなったが、輸入の寄与が輸出を上回った結果、純輸出の寄与度は0.1ポイントのマイナス寄与だった。

食品・エネルギーを除く個人消費支出デフレーターは、前期比年率2.4%上昇と前期(3.7%上昇)から引き続き低下している。

(加藤翔一)

(米国)

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