ジェトロ、在日リトアニア大使館とイノベーション・投資セミナー開催

(リトアニア、日本)

調査部欧州課

2023年10月17日

ジェトロは10月3日、在日リトアニア大使館との共催で、同国のアウシュリネ・アルモナイテ経済・イノベーション相の来日に際し、「リトアニア・イノベーション・投資セミナー」を開催した。リトアニアとのビジネスに関心のある日本企業約40社が参加した。

アルモナイテ経済・イノベーション相は「チャンスの海:リトアニアのイノベーションとビジネス環境」と題した基調講演で、リトアニアが力を入れる産業分野として、(1)バイオテクノロジー、(2)レーザー技術などのハイテク、(3)情報通信技術(ICT)を挙げた。バイオテクノロジーを含む同国のライフサイエンス産業は現在、GDPの約3%を占めるが、政府は2030年までに5%に引き上げる目標を掲げている。そのほか、ICT技術や語学力にたけた有能な人材が豊富な国であることや、ビジネスフレンドリーな環境を参加者にアピールし、7つの自由経済区(FEZ)や大規模投資プロジェクトを優遇するインセンティブスキーム「グリーンコリドー外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」を紹介した。

ジェトロとリトアニアのイノベーション庁によるMOC調印式も行われ、ジェトロの片岡進副理事長と同庁のロムアルダ・ソトラギエネ最高経営責任者(CEO)が署名した。

パネルディスカッションでは、今後の日本企業とリトアニア企業の連携に向けて、登壇者が活発な意見交換を行った。サイバーセキュリティーに携わるリトアニア発ユニコーン企業の日本法人ノードセキュリティージェーピーのポール・J・アシュトン代表取締役社長は、事業を素早く実行に移すリトアニア企業と、慎重に検討する日本企業のアプローチの違いに言及し、企業文化の違いはあるが、両方の良いところをうまく取り入れて連携を進めることが重要と述べた。ソトラギエネCEOは、リトアニアは若くてアイデアや機会に目を向けている人が多いため、有望なスタートアップが生まれていると説明し、オープンなことがリトアニアの競争優位性だとした。

同国ではこれまでにユニコーン企業が3社誕生した。フィンテック、ライフサイエンス、サイバーセキュリティー、モビリティー、ゲーミングなどが同国スタートアップの主要分野となる。

写真 オーレリウス・ジーカス駐日リトアニア大使によるオープニングスピーチ(ジェトロ撮影)

オーレリウス・ジーカス駐日リトアニア大使によるオープニングスピーチ(ジェトロ撮影)

写真 MOC調印式の様子、左から片岡ジェトロ副理事長、アルモナイテ経済・イノベーション相、リトアニア・イノベーション庁のソトラギエネCEO(ジェトロ撮影)

MOC調印式の様子、左から片岡ジェトロ副理事長、アルモナイテ経済・イノベーション相、リトアニア・イノベーション庁のソトラギエネCEO(ジェトロ撮影)

写真 パネルディスカッションの様子(ジェトロ撮影)

パネルディスカッションの様子(ジェトロ撮影)

(森友梨)

(リトアニア、日本)

ビジネス短信 db64a719ee73400a