日系企業の2023年の賃金は前年比14.2%増、2年続けて2桁の伸びに

(ハンガリー、日本)

ブダペスト発

2023年10月10日

ジェトロは、ハンガリーに進出している日系企業に対して、2023年の賃金や人材確保状況、高インフレ率に伴う支援制度などに関するアンケート調査(調査期間:6月23日~7月14日)を実施し、28社(製造業19社、非製造業9社)から回答を得た。

それによると、賃金の平均上昇率は前年比14.2%で、2022年の10.7%からさらに大きくなった。事業形態別に分けると、非製造業では13.6%、製造業は従業員300人超の企業で17.3%、300人以下の企業で16.1%だった。2022年の平均上昇率についても質問したところ、非製造業で8.9%、従業員300人超の製造業で10.3%、300人以下の企業で12.3%だった。今回の高改定率は、労働力の供給不足に拍車がかかっていることがあらためてみてとれる。

300人超の従業員を抱える製造業の職制ごとでの月額平均賃金(グロス)をみると、セクションマネジャー(課長クラス)が116万2,500フォリント(約46万5,000円、1フォリント=約0.4円)、エンジニア86万4,873フォリント、営業職67万2,000フォリント、事務職68万2,000フォリント、オペレーター47万6,000フォリントだった。

賞与については、平均で1.3カ月分が支給されている。非製造業で1.1カ月分、従業員300人超の製造業の会社は1.3カ月分、300人以下の企業で1.4カ月分となっている。

従業員に支給しているフリンジベネフィット(付加的手当)についても尋ねた(複数回答可)。セーチェニカード(注)は18社、乗用車通勤補助は15社が支給している。また、製造業では社員食堂補助(5社)、保育園・幼稚園サービス(5社)、現金補助(4社)を実施している企業が多い。

(注)宿泊施設やレストラン、娯楽施設などで使える電子バウチャー。

(バラジ・ラウラ)

(ハンガリー、日本)

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