中東最大級のスタートアップイベント「GITEX Expand North Star 2023」に日本企業18社が出展

中東・アフリカ（MENA）地域最大のテクノロジー展示会「GITEX」がアラブ首長国連邦（UAE）・ドバイで10月16～20日に開催され、ジェトロは、スタートアップ専用セクション「Expand North Star 2023」（10月15～18日）にジャパンパビリオンを設置した。J-Startup企業（注）にも選出されているコトツナ（Kotozna）やエレファンテック（Elephantec）をはじめ、GITEX主催者とジェトロが日本で初めて開催したピッチコンテスト「Japan Roadshow」で優勝したスペーシャルプレジャー（Spatial Pleasure）を含む、日本のスタートアップ18社が出展した。

今回の「Expand North Star」は、前年と比べ大幅に規模を拡大した。これまではメイン会場であるGITEX Global横に設置されていたが、今回はメイン会場から車で20分ほど離れたドバイ・ハーバーに設置され、GITEX全体では前年の約4割増の約82万平方メートルと過去最大規模での開催になった。「Expand North Star」には、前年の2.3倍となる1,800社以上のスタートアップが出展し、9つのホールのうち3つは「フィンテック・サージ（Fintech SURGE）」「フューチャー・ブロックチェーン・サミット（FUTURE BLOCKCHAIN SUMMIT）」「マーケティング・マニア（Marketing Mania）」とテーマが設けられた。

GITEX内で開催され、中東・アフリカ・南アジアで最大級のスタートアップピッチコンペティション「Supernova Challenge」は16カテゴリーに分類され、優勝者は20万ドルを獲得できる。ジャパンパビリオンからは、アウル（AWL）、アバター（Avatar）、アルガルバイオ（Algal Bio）、エレファンテック、コトツナ、スペーシャルプレジャー、トラル（toraru）と過去最多7社がセミファイナリストに選ばれた。そのうちアバターは、「HEALTHTECH & WELLNESS DISRUPTOR」部門のファイナリストに選出され、賞の獲得は逃したものの、ピッチ前後には多くの来場者がブースに訪れた。

ジャパンパビリオンには、UAEの要人も来訪した。オマール・スルターン･アル・オラマAI・デジタル経済・リモートワーク担当相はほぼ全ての出展社の説明を聞いて回り、関心を示した。また、ドバイ・スポーツ評議会トップで王家の1人であるシェイク・マンスール・ビン・モハメド・ビン・ラシド・アル・マクトゥーム氏やドバイ商工会議所トップのサイード・ガルガウィ氏なども訪れた。

会期中の商談内容は、ライセンス契約や資金調達が全体の半分を占め、出展企業からは「質の高い商談ができた」「中東市場での需要を体感できた」などの声があり、中東市場進出の足掛かりをつかめた様子だった。

（注）参考サイト：J-Startupサイト。

（鵜飼夏海）