北米企業がIT技術を生かした展示を披露、CEATEC 2023

(米国、カナダ、日本)

調査部米州課

2023年10月23日

IT技術とエレクトロニクスの国際展示会「CEATEC 2023」が幕張メッセで101720日に開催された。今回の開催趣旨は、経済発展と社会課題の解決を両立する「Society 5.0」の実現を目指し、あらゆる産業・業種の人と技術・情報が集い、「共創」によって未来を描く、となっている。

写真 会場の様子(ジェトロ撮影)

会場の様子(ジェトロ撮影)

会場は、Society5.0の実現に向けたテクノロジーを展示する「アドバンスドテクノロジーエリア」やスタートアップの研究成果の社会実装を目指す大学や教育機関による「パートナーズパーク」など、大きく5つの展示エリアに分かれる。そのうち、「グローバルエリア」では、海外の機関や企業、スタートアップによる展示が行われた。米国パビリオンでは、在日米国大使館・総領事館商務部、米国州政府協会(ASOA)のほか、5社が展示した。自宅、ビジネス、家族を守るためのスマートなソリューションを提供するアラームドットコムは2000年に創業し、バージニア州タイソンズに本社を置く。アクセスとセキュリティーを管理するクラウドベースのプラットフォームを提供し、ビデオ解析内容のカスタマイズ、遠隔での監視設定とスマートフォンの位置情報による自宅セキュリティーサービス、人工知能(AI)活用のセキュリティーアラート発報など各種インテリジェントサービスを可能にするとしている。現在の日本事務所は3人体制だという(注1)。

写真 米国パビリオンの様子(中央がASOA、左がアラームドットコムの展示、ジェトロ撮影)

米国パビリオンの様子(中央がASOA、左がアラームドットコムの展示、ジェトロ撮影)

カナダ・オンタリオパビリオンでは、オンタリオ州政府経済開発・雇用創出・貿易省のほか、6社が出展した。

写真 カナダ・オンタリオパビリオンの様子(中央右がデジェロラボ、ジェトロ撮影)

カナダ・オンタリオパビリオンの様子(中央右がデジェロラボ、ジェトロ撮影)

写真 デジェロラボの展示(ジェトロ撮影)

デジェロラボの展示(ジェトロ撮影)

デジェロラボは2008年創業で、カナダ・ウォータールーに本社を置き、ネットワークアグリゲーション技術(各種通信回線を組み合わせる技術)を使ってレジリエント(回復力がある)で切れないインターネット接続による、リアルタイムのビデオ伝送とネットワークソリューションを提供しているという。

コバイオニクスはカナダのウォータールー大学からスピンオフしたスタートアップで、自律型ロボットのプラットフォームを開発している。その応用の一例として、医療用の筋肉注射をするロボットなども開発している(注2)。

会場は終了時間間際でも多数の来場者が残っており、盛況だった。グローバルエリアでは、北米だけではなく、フィンランド、ウクライナ(初参加)、英国、台湾、アラブ首長国連邦(UAE)もパビリオンを構えていた。

(注1)そのほかの展示企業は、ビュージックスジャパン、Globalstar Japan、クアルトリクス、Avatour Technologies。

(注2)そのほかの展示企業は、Bluwave AI、i-50、イナゴ、ダイバーシスソフトウェア。

(見並一明)

(米国、カナダ、日本)

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