英政府がワインの規制改革を発表、2024年から開始へ

(英国)

ロンドン発

2023年10月27日

英国政府は10月16日、ワインに関する規制改革を発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。英国のEU離脱(ブレグジット)後の規制を刷新するものとして、改革は2024年から開始する予定。

2023年5月から7月にかけて行われた意見公募では、現行の規制が技術革新や効率性・持続可能性を追求する取り組みを妨げているという意見が寄せられた。これを受け、ワインに関する国際貿易や投資の促進、業務の負担を減らしてイノベーション促進につなげることを目的とした規制改革を行う。

主な変更点は次のとおり。

  • スパークリングワインを対象としたマッシュルーム型のストッパーとホイルの使用義務の廃止。消費者にとって不必要な廃棄物と包装コストを削減する狙い。
  • ボトルの形状に関する規制を撤廃。
  • 輸入ワインのラベルへの輸入者表示義務の廃止。食品の責任者である食品事業者(FBO)のみ記載するかたちに。
  • 輸入ワインのブレンドの解禁。
  • ワイン生産者によるピケ(ブドウの皮や茎など、ワイン製造の副産物を水ですすぎ、そのすすぎ汁を発酵させた低アルコール飲料)の製造・販売を可能に。

英国のワイン生産市場は世界的にみれば小規模なものの、一貫して成長を続けている産業でもある。英業界団体のワインGBによるレポートPDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)によると、2022年の生産量は約1,220万本。

また、同国のブドウ畑の面積は2022年時点で約4,000ヘクタールと、過去5年間で75%増加しており、2032年には7,600ヘクタールに達すると予測されている。

イングランド南東部のサセックスでは6月14日、ワインツーリズムによる収入を現在の2,500万ポンド(約45億5,000万円、1ポンド=約182円)から、2040年までに2億8,300万ポンドに増やすことを目指し、さらに多くの観光客を誘致する計画が発表されている。ワインフェスティバルの開催やブドウ畑を結ぶサイクリング、ウオーキングロードの整備、ワイナリーでのテイスティングツアーなど、さまざまな方法でワイン産業の発展を試みている。

(松丸晴香)

(英国)

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