ジェトロ、欧州最大級の環境展「ポリュテック2023」に7年ぶり出展

(フランス、日本)

パリ発

2023年10月25日

欧州最大級の環境・エネルギー関連展示会である「ポリュテック(Pollutec)2023外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」が101013日、フランス・リヨンにある展示会場「EUREXPO外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」で開催された。ジェトロは2016年以来7年ぶりにジャパンパビリオンを設け、日本の環境関連企業3社が出展した。主催者の発表によると、来場者数は約51,000人に上り、前回開催の2021年を11%上回った。

写真 ポリュテック2023外観(ジェトロ撮影)

ポリュテック2023外観(ジェトロ撮影)

写真 ジャパンパビリオンの様子(ジェトロ撮影)

ジャパンパビリオンの様子(ジェトロ撮影)

写真 会場の様子(ジェトロ撮影)

会場の様子(ジェトロ撮影)

出展者は約2,000社(うち28%は海外からの出展)を数え、リサイクル・リユース、廃棄物管理、水資源管理、エネルギー・エネルギー効率、汚染土壌、サステナブルシティ、大気質・悪臭・騒音、計測・計量・分析、リスクマネジメント・予防、生物多様性・自然生息地、海洋と沿岸環境保全などの分野に、スタートアップから大手企業までが参加し、多様な技術が紹介された。

中でも、近年高まるサステナビリティへの意識と資源不足を背景に、リサイクル・リユースの分野で人工知能(AI)を活用した材料使用の最適化、処理水の管理、廃棄物からの有機物土壌再生などの技術紹介が注目を集めた。

展示会を視察したフランス南東部のオーベルニュ・ローヌ・アルプ地域圏のフィリップ・ムニエ副議長は「今後の水素技術に注視している」と述べ、水素関連マーケットの発展に期待を寄せた。同地域圏は、欧州における水素関連事業者の主要な集積地の1つで、脱炭素化に向けたエネルギー移行の手段として水素技術に取り組んでいる。EUおよびフランス政府からの助成金を得て、エネルギー大手エンジー、タイヤ製造大手ミシュラン、銀行大手クレディ・アグリコル、公的金融機関バンク・デ・テリトワールとパートナーシップを結び、「ゼロ・エミッション・ヴァレー」と名打ったプロジェクトを2018年に開始。同地域圏での水素関連技術の研究開発を強化するほか、車両用水素補給ステーションの設置、電解槽の生産、グリーン水素自動車の開発、またリヨンとクレルモンフェランの間で運行が計画される水素燃料列車用の水素ステーションの建設など、生産・貯蔵・流通インフラにおけるバリューチェーン全体を包摂する水素モビリティーエコシステムの構築を目指している。

ポリュテック2023出展の日本企業向けに商談アレンジ

ジェトロは、ポリュテック2023に出展した日本企業3社を対象に、欧州の環境市場に関する事前ウェビナーをはじめ、商談資料のブラッシュアップや現地展示会場でのバイヤーとの商談アレンジなどを支援した。支援した企業とバイヤーとの間では、製品や技術に関する説明や質疑応答などが活発に行われ、企業からは「将来、欧州地域における販路開拓につながる企業に自社を紹介することができた」「商談アレンジ支援により、濃厚な商談が可能となり大変ありがたい」といった声が寄せられた。

ポリュテック主催者によると、同展示会は、次回2024年11月26~27日にパリ、その後2025年10月7~10日にリヨンでの開催を予定している。

(井上尚貴、渡部直樹)

(フランス、日本)

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