中国高官、米上院議員団と会談
(中国、米国)
北京発
2023年10月12日
中国の習近平国家主席は10月9日、北京市人民大会堂で米国上院トップのチャック・シューマー院内総務(民主党、ニューヨーク州)率いる議員団と会談を行った。
習国家主席は会談で、米中関係は世界で最も重要な2国間関係と指摘した上で、中国と米国がどのように協調していくかで人類の未来と運命が決まるとした。競争や対立は時代の潮流に合わず、自国の問題や世界が直面する課題を解決することはできないとも指摘した。続けて、中国と米国の経済の関係性は深く、互いの発展から恩恵を受けることができるとし、感染症流行後の世界経済の回復や、気候変動への対応、国際的・地域的な問題の解決には全て中国と米国の協調が必要だと述べた。また、より多くの米国議員が中国を訪問することを歓迎し、両国の立法機関がより多くの往来や対話、交流の機会を持ち、相互理解を深めることで、米中関係の改善に積極的に貢献することを望むとした。
中国外交部の発表によると、同日、王毅・共産党中央政治局委員兼外交部長はシューマー院内総務と会談した。王毅政治局委員は、中国と米国は社会制度、歴史、文化、発展段階が異なり、中国は米国になることはできず、米国も中国になることはできないと指摘。このため、双方は互いの国民が選択した発展の道や、互いの核心的利益、発展に対するそれぞれの権利を尊重しなければならないと述べた。また、同会談で王毅政治局委員は台湾、ウクライナ、パレスチナ・イスラエル紛争などの問題に対する中国側の立場を説明した。
中国商務部の発表では、同日、王文涛商務部長もシューマー院内総統との会談の場を設けている。王文涛部長は会談で、米中の経済・貿易の関係は両国に関わるだけではなく、世界的な影響を与えると指摘。また、両国経済は競争の関係よりもはるかに補完的であり、経済・貿易の関係の本質は相互利益にあるとした。さらに、協力することが両国にとって唯一の正しい選択で、中国は競争を避けることはないが、競争は国際的ルールに基づいて公正、健全でなければならず、安全保障の境界線を正確に定義し、安全保障の拡大解釈や政治化、手段化を回避することが望まれると示した。
(亀山達也)
(中国、米国)
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