ジェトロ、再エネ・水素ミッションを派遣

(エジプト、日本)

カイロ発

2023年10月05日

ジェトロは92527日、「エジプト水素・再生可能エネルギーミッション」を実施した。エジプトの再エネ、水素関連産業に関心を持つ日本企業23社から38人が参加し、カイロ、新行政首都、スエズ運河経済特区を訪問、エジプトで同産業にかかわる政府機関、地場企業、日系を含む進出外国企業との交流を行った。

写真 ネットワーキングの様子(ジェトロ撮影)

ネットワーキングの様子(ジェトロ撮影)

初日のセミナーセッションでは、現地調査会社がエジプトの再生可能エネルギー・水素市場の現状と将来的なポテンシャルについて解説した。同社は再生可能エネルギー・水素分野におけるエジプトの強みとして、太陽光や風力発電を可能とする自然環境に恵まれていること、天然ガスパイプラインやアンモニア輸送設備といった既存インフラの転用が可能であることなどを挙げた。一方で、投資の不足、グリッド(送電網)の不足や水資源の乏しさなどが課題だとした。また、建設業のオラスコム・コンストラクションやアラブ・コントラクターズ、電力機器メーカーのエルスウェディ・エレクトリックなど、同分野にかかわるエジプト企業が多数参加し、日本企業と協業を模索した。

エジプト政府は現在、2030年までに再生可能エネルギー発電比率を42%まで引き上げる目標を掲げており、併せて国家水素戦略を策定中だ。今回のミッションでは、こうした政府イニシアチブを担う電力・再生可能エネルギー省と石油・鉱物資源省をそれぞれ訪問し、政府の戦略について解説を受けるとともに、両省庁の傘下にある電力公社、ガス公社などの国営企業を交えてディスカッションを行った。ミッション最終日には、水素・アンモニア製造および輸出の拠点となるスエズ運河経済特区内の港湾およびアンモニアプラントを視察し、既に同地に進出している第三国企業などとネットワーキングを実施した。

写真 スエズ運河経済特区(アインソフナ港)視察の様子(ジェトロ撮影)

スエズ運河経済特区(アインソフナ港)視察の様子(ジェトロ撮影)

(塩川裕子)

(エジプト、日本)

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