全米自動車労働組合(UAW)、GM最大の組立工場で予告なしのストライキ開始
(米国)
シカゴ発
2023年10月25日
全米自動車労働組合(UAW)は10月24日、ゼネラルモーターズ(GM)最大の組立工場(テキサス州アーリントン)で予告なしのストライキを開始した。同工場ではGMの車種の中でも収益性の高い大型のスポーツ用多目的車(SUV)シボレー「タホ」と「サバーバン」、GMC「ユーコン」、キャデラック「エスカレード」などを製造しており、約5,000人の従業員がストライキに参加した。10月11日にはフォード最大の組立工場(2023年10月13日記事参照)、23日にはステランティス最大の組立工場でストライキを実施しており(2023年10月25日記事参照)、今回のGMでのストライキと合わせると、約4万5,000人のUAW組合員が参加していることになる。
UAWによると、今回の予告なしのストライキは、GMが2023年第3四半期(7~9月)決算で35億ドルの収益を発表したわずか数時間後の動きとなった。UAWのショーン・フェイン会長は24日の発表で「(GMにとって)過去最高の四半期、過去最高の年となった。何カ月も前から言ってきたように、過去最高の利益は(UAWとの)過去最高の契約にふさわしい」と述べた。UAWは「GMの最新の提示は、UAW組合員が生み出した利益に報いていない。GMの提案はフォードに後れをとっており、従業員を二分する給与体系を継続している点や、確定拠出年金、生活費調整(COLA)などに関しても不十分な提案をしている」と主張している。
一方、GMはストライキ突入後の声明で「不必要で無責任なストライキがエスカレートしていることに失望している。われわれは先週、UAWに包括的なオファーを提示したが、それは相当な規模かつ過去最高のもので、総額で約25%増加した」と述べた。同社はストライキによって休業、解雇などの影響を受けている従業員数(サプライヤーも含む)をホームページ上で紹介
しており、10月19日の時点では合計が1万4,500人を超えているが、今回のストライキでさらに増加するとみられる。
(星野香織)
(米国)
ビジネス短信 833cdb8697cddc7d