全米自動車労働組合(UAW)、ステランティス最大の組立工場で不意打ちのストライキ開始
(米国)
シカゴ発
2023年10月25日
全米自動車労働組合(UAW)は10月23日、ステランティス最大の組立工場(ミシガン州スターリングハイツ)で不意打ちのストライキを開始した。同工場ではステランティスの車種の中でも収益性の高い「RAM 1500」を製造しており、約6,800人の従業員がストライキに参加した。これは、10月11日からフォード最大のトラック工場(ルイビル工場)で約8,700人が参加して現在も継続中のストライキ以来、最大規模のものとなる(2023年10月13日記事参照)。今回のステランティスでのストライキ突入により、現在「デトロイト3」でストライキに参加しているUAW組合員の総数は4万人を超え、9月15日開始のストライキは6週間を迎えようとしている。
UAWのショーン・フェイン会長は10月20日にソーシャルメディアを通じて、この10月11日からのフォードでの大規模ストライキへの突入がゼネラルモーターズ(GM)とステランティスに対する明確なメッセージとなったことで、「2社との交渉で大きな進展があった」と発表していた。しかし、UAWの10月23日の発表では、「ステランティスは、最高売上高、最高利益(北米とグローバル)、最高利益率、最高手元資金を有するにもかかわらず、UAW労働者の要求への対応でフォードとGMの両社に後れをとっている」とし、「現在、ステランティスは昇給、臨時労働者の賃金とフルタイムへの転換、生計費調整(COLA)などに関して最悪の提案をしている」とした。
なお、ステランティスは10月17日、長期化しているUAWによるストライキによる財政への影響を考慮し、2024年1月に開催される世界最大のハイテク技術見本市「CES」への参加を見送ると発表、20日にも同様の理由から10月末開催のSEMA(Specialty Equipment Market Association)の展示会と11月開催のロサンゼルス・オートショーへの参加もキャンセルしたと発表
した。
(星野香織)
(米国)
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