韓国、1~9月は輸出の減少が続くも、9月の貿易黒字は直近2年間で最大を記録

(韓国)

調査部中国北アジア課

2023年10月25日

韓国の関税庁は10月16日、2023年1~9月の輸出入統計(確定値)を公表した。輸出は前年同期比11.5%減の4,642億7,800万ドル、輸入は12.6%減の4,839億6,500万ドル、貿易収支は196億8,700万の赤字となった(添付資料表1、表2参照)。

単月でみると、輸出額は2022年10月から継続して減少しているものの、エネルギー資源の輸入額の減少がそれを上回り、2023年6月以降、貿易黒字が続いている。9月の貿易収支は36億9,700万ドルの黒字と、直近2年間で最大の黒字額となった。輸出額の対前年同月減少率は2022年10月以降で最も小さく、最大輸出品目の半導体輸出が伸び率では14.6%減だったものの、2022年9月以降最大の100億ドルを超えたことなどが背景としてある。

2023年1~9月の輸出を主要品目別でみると、輸送機器が前年同期比20%増の854億200万ドルとなり、特に乗用車が36.7%増の500億2,300万ドルと大幅に増加した。その一方で、半導体(32.3%減)、石油製品(22.7%減)など、その他の多くの品目は減少した。輸入を品目別でみると、ほぼ全ての品目が減少し、金(35.6%減)、燃料(22.9%減)、うち原油(23.5%減)は大幅に減少した。

同期間の輸出を国・地域別にみると、中国は24.3%減の916億1,500万ドルと大幅に減少、日本も9.0%減の214億9,100万ドルと減少したものの、米国は0.4%増の833億5,800万ドルと微増した。輸入では、半導体輸入の減少により、中国が8.4%減の1,073億2,000万ドル、天然ガス輸入の大幅減少により、オーストラリアが27.8%減の246億7,600万ドルだった。

韓国産業通商資源部のパン・ムンギュ産業通商資源部長官は「韓国の輸出は、世界的な高金利、中国の景気後退、サプライチェーンの再編など変化する世界情勢の中でも、回復の傾向にある」と述べた。そのうえで、同部は輸出額のプラス転換のために、(1)「輸出現場訪問団」を全国各地の企業に派遣して輸出動向を把握し、(2)「官民共同輸出拡大対策会議」を本格的に始動すると発表した。

(益森有祐実)

(韓国)

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