一汽VWとアリババクラウドコンピューティング、自動車産業のDXとスマート化で提携

(中国、ドイツ)

大連発

2023年10月17日

ドイツ自動車大手フォルクスワーゲン(VW)の合弁自動車メーカー、一汽大衆汽車(一汽VW、吉林省長春市)は9月26日、電子商取引(EC)の売り上げで中国2位(注)の阿里巴巴集団(アリババグループ、浙江省杭州市)子会社の阿里雲計算(アリババクラウドコンピューティング)と長春市で戦略協力協定を締結した。

両社はそれぞれの技術とプラットフォームを活用し、デジタル化とスマート化を実現した自動車生産、物流、マーケティング、クラウドプラットフォーム、人材育成、人工知能(AI)、モビリティーサービスなどの多分野で、全方位的な交流、協力を展開し、共同で中国自動車産業のデジタルトランスフォーメーション(DX)とスマート化を推進することに合意した(「中国経済網」9月28日)。

デジタルスマートファクトリーとスマート物流の分野では、一汽VWの最先端の自動車製造コア技術に基づき、両社は一汽VWの長春市、成都市、仏山市、青島市、天津市の5つの主要拠点のDXを共同で推進する。また、アリババのリソースと、アリババクラウドが得意とするデジタルマーケティングとデジタルオフィス機能を融合し、一汽VWの自動車分野の豊富なデータなどを統合して、新たなデジタルマーケティングとオフィス分野の革新的なモデルを模索する。

調印式に合わせて、両社が共同で建設した初の研究所のデジタルクリエーションセンターが正式に開業した。同センターは主に産業モデルのアルゴリズム開発分野で技術的な障壁を打破し、技術基準を確立し、独立した財産権の形成を目指す。

また、フォルクスワーゲン集団(中国)は中国の電子商取引(EC)の最大手(注)の京東集団(JD、北京市)傘下の京東工業と調達面でのDXを推進する協議を締結している。

(注)「中国民営企業トップ500社ランキング」(2023年9月19日記事参照

(呉暁東)

(中国、ドイツ)

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