プラボウォ国防相、ジョコ大統領の長男と組んで正副大統領選に立候補

(インドネシア)

ジャカルタ発

2023年10月27日

インドネシア国防相を務めるプラボウォ・スビアント氏(グリンドラ党首)は10月25日、ジョコ・ウィドド大統領の長男で、中部ジャワ州ソロ市長のギブラン・ラカブミン氏〔闘争民主党(PDIP)所属〕を副大統領候補として、総選挙管理委員会(KPU)へ正副大統領選挙への立候補の届け出を行った。

プラボウォ氏(72歳)は元陸軍戦略予備軍司令官で、2014年と2019年の大統領選で現職のジョコ大統領と争い、いずれも敗北したものの、2019年から国防相を務めている。ギブラン氏(36歳)は、2020年に中部ジャワ州ソロ市長選に立候補し、初当選した。大統領選の立候補条件は、正副大統領候補ともに40歳以上と定められていたが、インドネシア憲法裁判所は2023年10月16日、「40歳以上または地方首長経験者は立候補を認める」との判決を出し、現職の市長であるギブラン氏は立候補が可能な状態となっていた(2023年10月20日記事参照)。なお、現在、憲法裁判所の長官はジョコ大統領の妹婿であるアンワル・ウスマン氏が務めている。

インドネシア国内では同判決について、憲法裁判所が政治利用されたとの批判が相次ぎ、市民団体らから調査の請求が行われている。この事態を受け、憲法裁判所は10月23日、同判決における倫理違反の有無を調査する倫理委員会の発足を発表した(「コンパス」10月23日)。

プラボウォ・ギブランのペアが世論調査で首位

インドネシアの民間調査機関LSIが10月24日に発表した最新の世論調査(注)によると、立候補を予定する正副大統領候補3組のうち、プラボウォ氏とギブラン氏の組が支持率39.3%で最も高かった。ガンジャル・プラノウォ前中部ジャワ州知事とモハンマド・マフッド政治・法務・治安調整相の組は36.9%、アニス・バスウェダン元ジャカルタ特別州知事と国民覚醒党(PKB)のムハイミン・イスカンダル党首の組が15.0%だった(「デティック」10月24日)。

(注)LSIの世論調査は、9月4~12日に国内1,200人を対象に無作為抽出方式で実施。

(八木沼洋文)

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