第1~3四半期の乗用車新規登録・販売台数は世界の主要市場で増加

(ドイツ、世界)

ミュンヘン発

2023年10月30日

ドイツ自動車産業連合会(VDA)は10月20日、2023年第1~3四半期(1~9月)の世界の主要乗用車市場における新規登録台数や新車販売台数を取りまとめて発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。

VDAによると、欧州(注)の第1~3四半期の乗用車新規登録台数は968万4,894台(前年同期比17.0%増)だった。しかし、2019年第1~3四半期の乗用車新規登録台数1,211万7,401台と比較すると約2割少なく、新型コロナウイルス感染拡大前の水準には回復していない。国別にみると、ドイツが213万8,066台(前年同期比14.5%増)で最多で、英国が145万1,908台(20.2%増)、フランスが128万8,624台(15.9%増)、イタリアが117万6,003台(20.5%増)、スペインが71万1,380台(18.5%増)と続いた。ハンガリーのみが8万3,009台(3.2%減)と落ち込んだ。

中国では、乗用車販売台数は増加し、第1~3四半期は1,794万2,000台(前年同期比7.1%増)だった。2019年第1~3四半期の販売台数より約2割増えており、新型コロナ禍前を大きく上回った。9月の販売台数は246万3,000台(前年同月比7.1%増)で9月としては過去最高を記録した。米国の第1~3四半期の販売台数(乗用車と軽トラック)も伸びをみせ、1,160万4,100台(前年同期比14.1%増)だった。ただし、2019年第1~3四半期と比較すると9%弱下回っている。日本の乗用車販売台数は301万2,600台(17.7%増)、インドの乗用車登録台数は308万8,600台(8.1%増)、ブラジルの販売台数(乗用車と軽トラック)は153万4,800台(9.8%増)だった。

VDAは、主要市場は安定しつつあるものの、2023年第4四半期は、新規登録台数や新車販売台数の増加率は現在の水準を維持できないと予測している。VDAは需要が後退する理由として、(1)地政学的な不確実性と世界経済の不確実性、(2)エネルギー価格・物価の高騰を挙げた。

(注)マルタを除くEU加盟国とEFTA加盟国(スイス、ノルウェー、アイスランド、リヒテンシュタイン)。EUを離脱した英国も含む。また、欧州の台数は欧州自動車工業会(ACEA)の統計(9月20日発表)に基づく。

(クラウディア・フェンデル)

(ドイツ、世界)

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