ロンドンで球磨焼酎の商談会を開催

(英国、熊本)

熊本発

2023年10月30日

球磨焼酎酒造組合とジェトロは10月17日、英国・ロンドンで、熊本県人吉球磨地域の米焼酎ブランド「球磨焼酎」(注1)の商談会を開催した。商談会には、熊本県内9社(注2)の酒蔵が参加した。各社は主力商品などを売り込むべく、インポーター、ディストリビューター、レストラン関係者、小売店関係者など、来場した10人以上のバイヤーとの商談に精力的に取り組んだ。

商談会では、バイヤーに対してロック、ストレート、水割り、ソーダ割りなどさまざまな飲み方で球磨焼酎を提供したほか、球磨焼酎の歴史や風味の特徴、製造方法についてのセミナーを実施した。バイヤーからは「今回の商談をきっかけに、焼酎の取り扱いを増やしていきたい」「今まで焼酎のことはよくわかっていなかったが、大変奥が深く、ぜひ英国でも流行させたい」などといった声があがった。

写真 商談会の様子(ジェトロ撮影)

商談会の様子(ジェトロ撮影)

また、翌18日には、英国市場における焼酎の市場調査のため、蔵元を対象とした、ロンドンのリカーショップ視察ツアーが行われた。視察ツアーに参加した蔵元からは「蒸留酒が広くたしなまれていても、焼酎は浸透していないことを肌で感じた。将来的にはリカーショップに焼酎の棚が作られることを目標の1つに、英国展開を進めていきたい」といったコメントが聞かれた。

写真 リカーショップ視察の様子(ジェトロ撮影)

リカーショップ視察の様子(ジェトロ撮影)

なお、英国家統計局(ONS)によると、2022年の日本からの日本酒を含む発酵酒(注3)の輸入額は438万9,000ポンド(約7億9,880万円、1ポンド=約182円)なのに対し、焼酎を含む蒸留酒(注4)の輸入額は14万8,000ポンドと開きがある一方で、日本酒と同じコメを原料にする米焼酎には今後輸出額を伸ばす余地が十分にあるともいえる。ジェトロは今後も、熊本県内の関係団体とも協力のうえで、球磨焼酎の海外販路拡大に向けて各種事業を実施していく予定だ。

(注1)「球磨焼酎」は、ワインのボルドーなどと同様に、地理的表示(GI:Geographical Indication)の対象に指定された本格焼酎ブランドの1つで、蒸留酒では日本でGIに指定されているのは4つのみ。

(注2)参加した酒蔵は、深野酒造、林酒造場、大和一酒造元、高田酒造場、松下醸造場、六調子酒造、豊永酒造、大石酒造場、繊月酒造(順不同)の9社。

(注3)関税分類番号(HSコード)で2206.00。

(注4)HSコードで2208.90。

(平松耕介)

(英国、熊本)

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