2023年上半期のGDP成長率は4.4%、物価上昇も落ち着き見せる

(モザンビーク)

マプト発

2023年10月03日

モザンビーク経済財務省は8月30日、2023年度上半期(1月~6月)の経済・社会計画と国家予算(PESOE)(2023年1月11日記事参照)の財務状況報告書外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを公開した。PESOEは年間予算計画や経済成長指標の目標値、予測値を示したもので、同報告書は2023年上半期終了時点の各指標の予測との乖離や、進捗状況をまとめている。

2023年上半期の実質GDP成長率は4.4%と、年間予測値(5.0%)を下回った。産業分類別に見ると、第一次産業が9.0%、第三次産業が4.2%の成長を示したのに対し、第二次産業はマイナス6.5%だった。特に第一次産業は石炭、重砂、天然ガス、建築用石材など資源採掘分野の商品生産が好調で(注)、同分野は通期で23.1%成長すると予測されている。マイナス成長となった第二次産業は、上半期の生産高約668億メティカル(約1,536億円、1メティカル=約2.3円)だった。このうち、構成比の約6割を占める金属分野と食品分野が前年同期比でマイナスになったことが大きな要因だ。金属分野(構成比36.6%)は対前年マイナス8.8%の244億メティカル、食品分野(構成比24.2%)は対前年マイナス3.8%の162億メティカルだった。

インフレ率は、2023年12月末時点の12カ月平均の目標値を11.5%に設定しているが、6月末時点の2023年インフレ率平均は10.6%となった。インフレ率は2022年第4四半期(10~12月)で10.3%増、2023年第1四半期(1~3月)は同11.1%で年初は上昇したが、2023年5月には対前月比マイナス0.4%、6月に同マイナス0.6%を記録し、直近は下落している。その理由について、国際市場で小麦やメイズといった穀物価格が落ち着きを取り戻す一方、5月、6月の為替レートは1ドル=63.88~63.89メティカルと安定しており、国内の食品価格が安定しているためと考えられる。

(注)モザンビークの産業分類は、日本のものと異なり、採掘産業は第一次産業に含まれる。

(松永篤)

(モザンビーク)

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