中部沿岸地域のタインホア省とゲアン省で高速道路開通、ハノイ市からの移動時間が短縮

(ベトナム)

ハノイ発

2023年10月12日

ベトナム交通運輸省は9月1日、2025年の全線開通を目指す南北高速道路東側(南北高速道路、注1)の一部となる中部タインホア省とゲアン省の高速道路の開通を発表した。これまで首都ハノイ市から南方へ251キロ離れたゲアン省までの車移動は5時間程度を要していたが、高速道路の開通によって、3時間30分に短縮されるという(注2)。

今回完成したのは、国道45号~ギソン区間と、ギソン~ジエンチャウ区間の2プロジェクト(添付資料図参照)。これにより、2つの段階に分けて開発が進んでいる南北高速道路の第1段階に当たる11プロジェクトのうち、8プロジェクト(総距離約520キロ、第1段階全体の約8割に相当)が完成したことになる。残りの3プロジェクトは2023年末、2024年に完成予定で、2017~2020年に建設予定だった第1段階は4年遅れで完了する見込みだ(添付資料表参照)。

第2段階(12プロジェクト、総距離729キロ)も、2023年1月1日に全プロジェクトの起工式が行われており、2025年に南北高速道路全線が完成する予定となっている。

今回開通した2つの高速道路の概要は次のとおり。

【1.国道45号~ギソン高速道路(タインホア省)】

全長43キロで、始点はタインホア省ノンコン県、終点は同省ギソン市。総投資額は5兆5,300億ドン(約337億円、1ドン=約0.0061円)。

写真 国道45号~ギソンの高速道路(ジェトロ撮影)

国道45号~ギソンの高速道路(ジェトロ撮影)

2.ギソン~ジエンチャウ高速道路(タインホア省、ゲアン省)】

ギソン市を起点とし、終点はゲアン省ジエンチャウ県。全長50キロのうち6.5キロはタインホア省を、43.5キロはゲアン省を通過する。投資総額は72,900億ドン。

写真 ギソン~ジエンチャウ高速道路(ジェトロ撮影)

ギソン~ジエンチャウ高速道路(ジェトロ撮影)

国道45号~ギソンとギソン~ジエンチャウ高速道路は2021年7月に起工、当初の官民パートナーシップ(PPP)方式から公共事業に変更された。現時点では、4車線で最高速度は時速80キロだが、今後拡張工事を経て6車線となった際には、時速100~120キロでの通行が可能になる見込みだ。10月5日時点では無料で通行が可能。

(注1)南北高速道路東側は北部ランソン省から南部カマウ省まで、第1・第2段階の建設区間と、それ以前に開通している区間を合わせて、全長2,063キロを予定。西側は2030年以降の完成を予定する計画があるが、現在は未着工。

(注2)ハノイ市の高速道路始点(ファップバン)からゲアン省の高速道路終点(ジエンチャウ)まで。ジェトロが9月6日に実際にハノイ市からゲアン省まで高速道路を走行した際、所要時間はおおむね発表どおりの3時間30分だった。

(グエン・ラン)

(ベトナム)

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