全米自動車労働組合(UAW)、労使交渉でフォードと暫定合意

(米国)

シカゴ発

2023年10月30日

全米自動車労働組合(UAW)は10月25日、米フォードと過去最高の労働協約で暫定合意に達したと発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。フォード従業員を代表するUAW指導部が10月29日に投票によって新しい協約を承認した場合は、全組合員に向けてソーシャルメディア上で協約の詳細の説明を行い、その後、地域のUAW指導者への説明、最後に組合員の投票で承認された後に協約が批准される運びとなる。UAWは、この投票期間にストライキに現在参加しているフォードの従業員に仕事に戻るよう呼びかけている。

今回のフォードとの労働協約では、4年間で25%(批准後直ちに11%)の昇給、生計費調整(COLA)の復活によって組立工の賃金は最高で30%の昇給(時給は40ドル超となる)、初任給は68%の増加になるという。このほか、UAWは年金支給乗率の増加、雇用保障、工場閉鎖を巡るスト権、一部の工場での従業員を二分する給与体系の廃止などを獲得したと発表した。

報道によると、フォードは今回の41日間にわたるストライキによって、13億ドルの損失が発生し、2023年第3四半期(7~9月)の純利益12億ドルが事実上帳消しになったという(オートモーティブニュース10月26日)。

なお、10月28日時点でUAWはステランティスとも暫定合意外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますしたが、ゼネラルモーターズ(GM)ではテネシー州スプリングヒルで新たにストライキに入り、ストライキ拡大が続いている(ロイター10月28日)。

(星野香織)

(米国)

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