米国のバイデン大統領とブリンケン国務長官、中国の王外相と会談

(米国、中国)

ニューヨーク発

2023年10月30日

米国のジョー・バイデン大統領とアントニー・ブリンケン国務長官は、10月26~28日にかけて米国を訪問した中国外交トップの王毅・共産党中央政治局委員兼外交部長(外相)とそれぞれ会談を行った。

ホワイトハウスが公表した10月27日のバイデン大統領と王外相の会談要旨外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますでは、バイデン大統領はこれまでどおり、責任あるかたちで両国関係を管理する重要性を強調するとともに、地球規模の課題に対して両国で協力して取り組まなければならないことを指摘したとしている。26日から2日間にわたって会談を行ったブリンケン国務長官についても、国務省が初日に公表した会談要旨外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますはホワイトハウスの公表内容とほぼ同様なものの、ブリンケン国務長官は、米国は自国や同盟・友好国の利益と価値観のためにあり続けると強調したとしている。また、大統領、国務長官とも、10月27日に死去した中国の李克強前首相への弔意を伝えたとしている。

バイデン大統領は、11月にカリフォルニア州サンフランシスコで開催するAPEC首脳会議の場で、習近平国家主席との対面会談を実現させたいとの意向がある(ロイター10月28日)。その件も王外相との会談で議題にあがったと考えられるが、会談要旨には言及がなかった。両国関係は、2月に起きた米国上空での中国の偵察気球問題で緊張が高まったものの、5月以降、閣僚レベルでの対面会談の機会が続いている。直近では、ジャネット・イエレン財務長官が7月の訪中時に中国の何立峰副首相と設立に合意した「経済ワーキンググループ(EWG)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」と「金融ワーキンググループ(FWG)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」をオンライン形式で初開催するなど、事務レベルでの交流も生まれている(2023年10月26日記事参照)。こうした流れが11月の対面首脳会談につながるか、両国間の動向に今後も注目される。

(磯部真一)

(米国、中国)

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