英政府、SDGs達成に向け、開発途上国支援を発表

(英国、アジア、アフリカ、カリブ海諸国、米国)

ロンドン発

2023年10月02日

英国のジェームズ・クレバリー外務・英連邦・開発相は9月19日、国連総会で、持続可能な開発目標(SDGs)の達成支援に向けた、国際金融機関に対する新たな支援を発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。今回発表された支援は次のとおり。

  • 気候変動対応に向け、アジア開発銀行(ADB)により設立されたアジア・太平洋革新的気候ファシリティ(IFCAP)に対し最大3億ドルの保証を提供。
  • アジアやアフリカなどの低・中所得国向けの融資制度である、教育のための国際金融ファシリティ(IFFEd)に対し最大1億8,000万ポンド(約328億円、1ポンド=約182円)を提供し、子供の就学率向上を支援。内訳は、9,500万ポンド規模の補助金および払込資本金と8,500万ポンドの保証。
  • カリブ海地域の水・衛生関連企業の保険へのアクセスを支援するために、カリブ海地域水道事業保険共同体(CWUIC)に対し2,500万ドルの回収可能な投資を行う。
  • 開発途上国の税制改善に向け1,700万ポンド規模の資金を提供。
  • 英連邦加盟国における標準規格のさらなる使用を支援すべく、300万ポンドを拠出。

9月21日には、グラハム・スチュアート・エネルギー安全保障・ネットゼロ省国務相が、開発途上国におけるグリーン技術の開発および運用を支援するため、1億6,000万ポンドを拠出することを発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。内訳は次のとおり。

  • ドイツ政府と協力し、エネルギー、産業、輸送などの分野の排出量削減を支援(1億ポンド)。
  • 革新的なクリーン技術の開発加速を支援するプログラムを2029年まで延長(5,500万ポンド)。
  • 国別排出量削減目標(NDC)の履行に向けた技術支援(570万ポンド)。
  • 気候ファイナンスのための国際イノベーションラボを通じて、中南米とカリブ海諸国の排出削減および森林保護に資するプロジェクトを支援(75万ポンド)。

AI活用に向けた支援も発表

クレバリー氏はこれに先立つ18日、米国のアントニー・ブリンケン国務長官が議長を務めるAI(人工知能)イベントの共同議長を務めた。同イベントでは日本を含む7カ国で、SDGsに関する進展加速に向けたAIの活用方法を議論した。

また、カナダの国際開発研究所と連携し、アフリカを皮切りに、開発途上国でAIに関するスキル構築やイノベーション促進を支援する「開発のためのAI」プログラムを立ち上げることも発表した。

そのほか、パートナー国とともに、AIを活用した国家、国際機関の危機の未然防止を支援する基金に100万ポンドを拠出することも発表している。

(チャウジュリー・クリシュナ)

(英国、アジア、アフリカ、カリブ海諸国、米国)

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