ジェトロ、相談事例からEPA活用ノウハウを解説する実務者向けウェビナー開催

(日本)

調査部調査企画課

2023年10月30日

ジェトロは10月18~20日、日本企業で輸出入に取り組む実務者向けに「EPA(経済連携協定)活用ノウハウ-相談事例から解決策を探る-」と題したウェビナーを開催した。ジェトロに寄せられる質問や各国税関でのトラブル事例などを紹介しながら、ジェトロ担当者が3回シリーズで解説した。各回とも申込者数は2,000人を超え、企業規模を問わず、EPA利活用への関心が高まっていることがうかがえた。

1日目の冒頭、調査部の長島忠之上席主任調査研究員が、日本の締結しているEPAの概要や手続きの電子化など、近年の動向について俯瞰(ふかん)した。3日間のプログラムでは、貿易投資相談課の石川雅啓課長代理が実際に寄せられた相談事例を例題に、具体的な規定の内容や実務上の留意点などについて解説した。1日目はHSコードの調べ方と譲許表の確認方法、2日目は原産地証明手続きの方法(原産品判定・累積規定・付加価値基準)、3日目は原産地証明手続きの事務的な留意点と海外税関で発生したトラブル事例、通関後に必要な検認について扱った。石川課長代理の解説に対し、司会(調査部の飯田康久主幹)が質問する対話形式で進行し、随所で参加企業から寄せられた実務的な質問にも回答した。

開催後のアンケートでは、参加者から「対話形式のため理解しやすかった」「実務担当者向けのウェビナーを引き続き開催してほしい」などと評価する声が大半だった。一方で「専門用語があり、理解が追い付かない点があった」といった声も寄せられた。

ウェビナー中、参加者からは、協定によって適用される規則・基準の違いや、複雑な手続きへの対応に関する質問が多く、EPA利活用企業は増加傾向にあるものの、利活用に難しさを感じている企業も依然として多いことがうかがえた。講師の石川課長代理は「一度導入すれば、関税引き下げ効果のみならず、企業経営戦略の観点からも長期的な大きなメリットになり得る」とEPA利活用の重要性を強調し、「個別の案件によって必要な対応が異なるため、ジェトロによる個別相談も活用してほしい」と述べた(貿易投資相談の情報を参照)。

今回のウェビナーのアーカイブ動画は10月27日~2024年1月27日の3カ月間、ジェトロのホームページに掲載予定(各回の動画視聴URLは下記参照)。また、2024年2月をめどに、要望が多数寄せられたHSコードの調べ方に特化したウェビナーの開催を予定している。

〇アーカイブ動画視聴URL

(川嶋康子)

(日本)

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