山東省、外資ビジネス環境最適化に関する措置発表

(中国)

青島発

2023年10月25日

中国・山東省政府は10月23日、「山東省の外商投資環境のさらなる最適化と、外資の利用、投資誘致の強化に関する若干の措置」(魯政字〔2023〕179号)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを発表した(文書は10月19日付)。

措置は(1)外資誘致の質の向上、(2)外資系企業への内国民待遇の保障、(3)外国人投資保護の継続的強化、(4)投資運営の円滑化レベルの向上、(5)財政・税制支援の強化、(6)外国人投資促進方法の改善の6分野23項目で構成しており、8月13日に国務院が発表した「外商投資環境のさらなる最適化と外商投資誘致の強化に関する意見」(国発〔2023〕11号)(2023年8月15日記事参照)を下方展開したものとなっている(詳細は添付資料表参照)。

(1)では、山東省の多国籍企業と国際科学技術組織による国際技術移転サービス機関の設立(重点分野の外資誘致の強化)、省内の専門的な科学技術サービス機関と多国籍企業による国をまたぐ技術移転業務の実施での協業などを支援(重点分野の外資誘致の強化)するとしている。

(2)では、「外資系企業の法に基づく標準化活動への平等な参加支援」として、標準化政策を一貫した機会が平等なかたちで実施し、外資系企業と中国企業が法に基づいて省レベルの専門標準化技術委員会および標準の策定・改定に平等に参加できるようにするとしている。

(4)では、外資系企業の外国人幹部、技術者、その家族が居留許可を申請する際に、規定に基づいて本人の有効なパスポートであることが確認できれば、パスポート原本を預けなくてもよい(外資系企業の外国籍職員の滞在・居住政策の最適化)としている。

また「データ越境安全評価の着実な推進」として、関連する作業手引きを公布し、外資系企業が規則に沿ってデータ越境安全評価の申請、個人情報域外移転標準契約届け出などの作業を行えるよう指導・サポートを行い、山東省でのデータの安全で自由な越境流動を促進するとしている。

さらに「外資系企業への法執行・検査の統一的な調整」として、「双随機、一公開」(注1)の方式を用いた監督と検査のプロセスで、信用リスクが低い外資系企業に対してはサンプリング調査対象とする比率と頻度をさらに下げ、条件を満たす市において安全生産、環境保護、製品品質といった企業関連法執行検査事項の「進一次門、査多項事」(注2)の実現を支援する。

このほか、「外資系企業へのサービス保障の整備」として、原産地証明書のバーチャル発給センターを構築し、「RCEP(地域的な包括的経済連携)原産地証明書発給センター」「上海協力機構モデル区原産地証明書発給センター」を開設し、原産地証明書の審査のスマート化とセルフサービス印刷の利用を普及させ、外資系企業がこれらの協定の恩恵を享受する際の利便性を向上させるとしている。

(注1)検査員と検査対象の双方を無作為に抽出し、検査・処置の結果を速やかに公開すること。

(注2)一度に多くのことを調べること。

(赤澤陽平)

(中国)

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