北米トヨタ、韓国LGエナジーソリューションとバッテリーの供給契約を締結

(米国、韓国、日本)

ニューヨーク発

2023年10月05日

トヨタ自動車は10月4日、北米トヨタ(TMNA)と韓国のバッテリーメーカーLGエナジーソリューション(LGES)との間で、リチウムイオンバッテリーモジュール供給契約を締結したと発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。トヨタが米国で生産するバッテリー式電気自動車(BEV)に搭載される。

トヨタは5月31日に、米国ケンタッキー州のトヨタ・モーター・マニュファクチャリング・ケンタッキー(TMMK)で、BEVのスポーツ用多目的車(SUV)の生産を2025年から開始すると発表していた(2023年6月2日記事参照)。同車両には、現在建設中のトヨタ・バッテリー・マニュファクチャリング・ノースカロライナ(TBMNC)で生産される自社製バッテリーに加え、今回の契約に基づいて生産されるLGES製バッテリーも搭載されることとなる。

LGESは契約履行にあたり、ミシガン州の拠点に4兆ウォン(約30億ドル)を投資し、トヨタ専用のバッテリーセルとモジュールの生産ラインを設立する計画で、2025年から、年間生産容量20ギガワット時の高ニッケルNCMAリチウムバッテリー(注)を供給する。LGESは、既にゼネラルモーターズ(GM)との合弁で生産を開始しているオハイオ州ウォーレン工場に加え、同じくGMとの合弁のテネシー州およびミシガン州ランシング、ホンダとの合弁のオハイオ州ジェファーソンビル、現代との合弁のジョージア州、LGES単独でアリゾナ州およびミシガン州ホランドの工場で、バッテリーの生産を計画している。

TMNAの小川哲夫社長兼最高経営責任者(CEO)はプレスリリースの中で、「北米におけるトヨタの多角的なアプローチとBEVの成長計画を支えるため、大規模なリチウムイオンバッテリーの安全な供給を長期的に確保することは、当社の生産計画とCO2(二酸化炭素)削減計画を達成する上で重要でだ。LGESと協力することで、顧客が期待する性能と品質に優れた製品を提供できることを楽しみにしている」と述べた。また、LGESのクォン・ヨンスCEOは「この協定は、当社にとって、北米での生産能力を強化する新たな大きな機会であり、それにより、北米の電動化に向けて、より現実的かつ大規模な進展をもたらすものだ」と述べた。

(注)ニッケル・コバルト・マンガン・アルミニウムを正極材に使用し、ニッケルの含有比率が高いリチウムイオンバッテリー。

(大原典子)

(米国、韓国、日本)

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