製品品質法の改正案公表、リコールやトレーサビリティーの実施など明記

(中国)

北京発

2023年10月26日

中国国家市場監督管理総局は10月18日、製品品質法の改正案外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを公表した。11月18日までパブリックコメントを募集する。

現行の製品品質法は1993年に制定され、2000年と2009年、2018年に改正が行われている。今回の改正案では「品質強国」(2023年2月20日記事参照)の建設、質の高い発展の推進、経営者の責任の徹底、製品品質管理制度の整備を図るために、条文が現行法の74カ条から111カ条に増えたほか、内容も大幅に改定した。

改正案では、同法の適用範囲を製品の「製造、販売」から製品に係る全ての「経営活動」に拡大し、生産者、販売者などを含む経営者の定義(注)を明確にした上で、経営者の製品品質に関する義務について具体的に定めた。輸入者の義務については、生産者と販売者に関する規定を適用することとした。

品質安全管理制度については、経営の規模や製品の種類、リスク等級に応じて、専任または兼任の品質管理要員を配置し、品質安全の管理・コントロールを実施し、製品の安全を保証しなければならないと具体化した。

また、欠陥製品に関する経営者のリコール関連義務と、政府のリコールを命じる権限を明確にしたほか、品質安全トレーサビリティー制度を実施し、経営者が品質安全トレーサビリティー体系を確立する義務を明記した。児童用品や妊娠中・授乳期の女性用品、高齢者用品などの特殊消費財については、国による製品目録の確定・関連標準の制定、生産者による自己評価、第三者機構による監査などに関する規定を追加し、品質に対する監督を強化した。

さらに、損害賠償に関する訴訟時効の延長や、違反行為に対する過料の大幅引き上げなどの罰則強化についても規定した。

このほか、品質向上と品質関連インフラの整備について新たに章を設け、16の条文を追加した。同章には、経営者や大学、研究機関などによる品質技術の研究の奨励や、重要コア技術・原材料・部品の品質に関する課題解決の奨励、計量・標準・認証認可・検査テストなど品質に関するインフラを整備・活用することなども盛り込んでいる。

(注)改正案では、経営者について、営利を目的に製品・サービスを提供する組織または個人と定義し、生産者、販売者、製品の貯蔵・運送事業者、インターネット販売者、電子商取引プラットフォームサービス提供者、展示会の主催者、サービス業経営者などを含むとした。

(張敏)

(中国)

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